ちょっとベネツィア価格だけど美味しくてリピートした店「Vini da Gigio」

目当ての店が夏季休暇で、2度目の訪問  

ベネツィア駅着が18時という旅程で、この日はチェックインして夕食をとるだけと分かっていたので、ホテル近くのレストランを下調べしておきました。

ここに行こうと決めていた店は、

Osteria alle Testiere
住所:Calle del Mondo Novo, 5801, Venezia 30122(Googleマップで
www.osterialletestiere.it

ところが行ってみると「夏季休暇」の張り紙。ほぼ8月いっぱい休み。久しぶりにベネツィアのレストランを新規開拓できる機会だったので無念。

ということで予定変更。一度行ったことがあり「ややベネツィア価格だけど悪くはない。何を頼んでも外れることはなさそう」という印象だったこの店に行くことにしました。

  • 店名:Vini Da Gigio
  • 場所:リアルト橋から750m、ベネツィア駅から1,2km
  • 住所:Sestiere, Calle Stua Cannaregio, 3628A, Venezia 30121(Googleマップで

 

初めて行ったときの印象(2017年4月)

初めて「Vini Da Gigio」で食事したときの印象を、「ややベネツィア価格だけど悪くはない。何を頼んでも外れることはなさそう」などとエラそうに書きましたが、一番ひっかかったのはやっぱり価格でした。

  • 前菜 x 2
  • パスタ1皿をシェア
  • グラスワイン x 2
  • 食後酒のグラッパ x 1

2人で行って、たしかこんな注文をしたのですが、これで、90ユーロぐらいでした。

いや、美味しいんです。とてもおいしかった。例えば、写真↓のこれ。
Tagliolini neri con broccoli e crema di acciughe
(黒いタリオリーニパスタ、ブロッコリとアンチョビクリーム)
味も盛り付けも洗練されていて、ちょっといい「リストランテ」風。

リストランテ、トラットリア、オステリアといった区分けはあまり意味を持たなくなっている気もしますが、一応「リストランテ」といったら、静かで落ち着いた雰囲気でゆっくり食事をするところです。

2人で90ユーロというのは、その「リストランテ」の価格帯だと思っています。ここ「Vini Da Gigio」は雰囲気はいいのですが、やや狭くて隣のテーブルも近く、ゆったりと食べられる「リストランテ」とはちょっと言えません1回目、2回目ともに満席だったこともあり、店内もちょっと慌ただしく感じました。

料理は文句なく美味しい、内装もベネツィアらしい雰囲気がある。だけど、この価格帯なら、もう少しゆったりとした空間と雰囲気で食事したい、というのが率直な感想でした。

でも、世界的観光地・ベネツィアであることを鑑みれば、むしろ良心的な店なのかもしれません。個人的な印象では、ベネツィアの半分近くの店が、味も雰囲気もそこそこで価格はここよりちょっと安い程度、あるいは同じぐらいのような気がします。

 

前菜のマテ貝が美味! 2018年7月に再訪

今回(2018年7月)、目当ての店が夏季休暇で「じゃあ、あそこに行くか」とやや消極的な理由でリピートすることになった「Vini Da Gigio」。

結果的には、やっぱりここは(ちょっとベネツィア価格だけど)いい店なのかな、と再確認できました。理由は、

  • 前回と違う料理をとったが、やっぱり美味しかった。
  • 前回同様、20時30頃には満席。客層も、外国人観光客8割(うち欧米8割、アジア2割)、イタリア人2割とバランスがいい。
  • 口頭で教えてくれた本日のおすすめ的なメニューのバリエーションが豊富。

 

↑店の奥のテーブルにはイタリア人の家族

店の人が本日のおすすめの一つとして口頭で教えてくれ、正確に何のことか分からないまま注文したのがこれ↓ 一見、カニ足のようですが、色が違うし、食べてみると食感にもっと弾力があります。もう一度店の人に聞いてみると、
Cannolicchio(カンノリッキオ)
ヴェネツィア方言では、Cappelunghe(カッペルンゲ)
と教えてくれましたが、この単語、私は知りませんでした。

スマートフォンの辞書で調べると「マテ貝」。西日本では食用されているらしいですが、日本でも食べたことがありませんでした。

味付けは塩とオリーブオイル。言われてみれば貝っぽい味。結局、こういうのが一番おいしいです。軽くもう1皿食べられたと思います。これをアテにいくらでもワインが飲めそうです。

注文したワインは、プロセッコ。定番の白発砲ですが、最近どこに行ってもこればかり飲んでいます。マニアックな銘柄を挙げて得意気に「これが好きなワインです」と言ってみたいものですが、自分は結局、万人受けするこういう飲みやすい味が好みのようです。

ワインの銘柄:Prosecco superiore Valdobbiadene
生産者:Spagnol
価格:24ユーロ(ボトル)
このプロセッコという銘柄、近年輸出量も増え、有名になりすぎて、ちょっと商業的すぎるから「うちでは置いていない」と言われたことが最近だけで2回ありました(ミラノとボローニャのレストラン)。

でも、ワインの名前「Prosecco superiore Valdobbiadene」の「Valdobbiadene」はベネツィアから北へ約70kmにある村の名前で、同じヴェネト州。つまり、ローカルワインなのでここでは迷わず。

マテ貝ともう1つの前菜は「Sarde in Saor」↓。数年前に覚えてから嵌っていて、それ以来毎回ベネツィアに来る度に頼んでいる郷土料理。いわしの南蛮漬けです。南蛮漬けと違うのは、玉ねぎだけでなく、松の実と干しぶどうが入っている点。松の実がなかったらもっと平凡な味のはず。添えらているのは焼きポレンタ(とうもろこしの粉を練ったもの)。

美味しく食べたのに価格のことを言って恐縮なのですが、これで18ユーロはちょっとやり過ぎの感もあります。

ベネツィアには「Bacaro バーカロ」と呼ばれるバールで、小皿料理をつまみながらワインを立ち飲みし、さらにその「Bacaro」をはしごしていくカルチャーがありますが、そのつまみ(Cichetti チケッティと呼ばれる)の一つが、このいわしの南蛮漬け「Sarde in Saor」。

立ち飲みバール「Bacaro」で食べる「Sarde in Saor」も十分美味しく、ここで注文する必要はなかったかもしれません。

 

パスタはボンゴレ。1人分を2人でシェア

パスタは1皿とって2人でシェアしました。注文時にそう伝えれば、1人分を2皿に分けて持ってきてくれます。
前菜と同様、本日のおすすめとして口頭で説明された中から、このボンゴレを注文しました(18ユーロ)。この2皿を合わせた量が本来の1人前。。日本人的にはこれで十分です。味付けもしっかりとした濃いめで美味しかった。女性にとっては、ちょっとしつこいと感じるかもしれません。量的にはこれでベストでした。

 

メーン(2皿目)をパスして、前菜をもう1品

ここまで前菜2皿(マテ貝といわし南蛮漬け)とパスタ1皿(ボンゴレ)。

はじめはたぶんこれで十分かなと思っていたのですが、どれも美味しかったのでノってきてもう1品頼もうということになりました。

いつも思うのですが、魚料理のレストランだと特に、前菜が一番おいしいような気がします。この店だとメーンとなる2皿目は、主に魚のグリルやフライ。

それならメーンをパスして、もう1回前菜に戻って、その中から選んだほうが良さそうです。

Cape Sante alla Veneziana(ホタテ貝、ベネツィア風)18ユーロまずいわけないです。これでちょうどワインが空きました。

このあとデザートを1つだけとって会計。結局、注文したのは、

  • 前菜3皿
  • パスタ1皿
  • デザート1皿
  • ワイン1本

これで、113ユーロ(2人)でした。

 

メニューの写真など。予約は必須です。

メニューの写真に、注文したことがある料理をチェックしてみました。

① Sarde in Saor(いわしの南蛮漬け)

② Cape Sante alla veneziana(ホタテ貝、ベネツィア風)

③ Tagliolini neri con broccoli e crema di acciughe
(黒いタリオリーニパスタ、ブロッコリとアンチョビクリーム)

④ Seppie alla veneziana con polenta
(イカ ベネツィア風、ポレンタ添え)

メニューには書いていない本日のおすすめ料理がけっこう豊富にあります。店の人は、ほぼみんな英語を話すようだったので、聞いてみない手はありません。

イタリア語の単語はほぼローマ字読みで、日本人の発音は(英語などと違って)伝わりやすいので、あらかじめ食べたい魚介類を調べておいて聞いてみるのもいいかもしれません。

例えば前述のマテ貝は、
Cannolicchio
またはベネツィア地方では
Cappelunghe

どちらも普通のローマ字読みで
カンノッキオ
ッペルンゲ
で通じると思います。

最後になりますが、予約は必須です。初めてのときは、開店すぐの19時過ぎに予約なしで行ったら「最後の席」と言われてぎりぎり入れました。

2回目は電話で予約していきましたが、20時30頃には満席。途中で、予約なしのお客さんが入ってきましたが「予約で満席だから」と断られていました。

(おわり)

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