開店時間が遅いレストランへの繋ぎとしてのアペリティーボ(食前酒)

イタリアの夕食時間は20時から

1日中観光して歩き回ったら、17時〜18時には腹が空いてきますが、18時から開いているレストランはイタリアにはまず無く、あったとしても昼休みなしでずっと営業しているツーリスト向けのレストランです。

早くても19時開店ですが、入店しても客がほとんどおらず、この時間に食べている客は、自分も含め9割外国人(観光客)。日本人の夕食時間は平均19時だと思いますが、ドイツ人も似たようなものらしく、よく行くピザ屋では、19時すぎに店に入ると自分たちが最初の客であるか、時々ドイツ人観光客がもう席に着いていてビールで始めていたりします。

イタリア人の夕食時間は厳格に20時から。19時30分の時点でがらがらの店内が、20時になると急に混み始めます。たった15分ずらして19時45分に来れば、静かな店内で落ち着いて食べれるのに、といつも思ってしまいます。

友達と食事の待ち合わせをするときも「20時になると混み始めるから、19時30分に予約しよう」という提案をうけたことは一度もありません。みんな判で押したように20時、または20時30分予約。フレキシビリティの塊のような国民性なのに、なぜ食事の時間にはここまで融通が利かないのか、不思議です。

アペリティーボという食前酒の習慣

というわけで、いくら空腹でも、レストランで食事するには19時まで待つしかありません。そこで使えるのが、アペリティーボと呼ばれる食前酒を飲みながら軽食をつまむ習慣。

たいていのバールではアルコールも出しているので、夕方になってくるとワインやビールを飲む人がぽつぽつ出はじめます。バールでのコーヒーは基本的に立ち飲みですが、夕方の食前酒は席に座る場合も多いです。もちろんワインバー(エノテカ)でも食前酒を楽しめます。

アペリティーボの「つまみ」

バールやワインバーで夕方にアルコールを注文すれば、たいていの場合、おつまみとしてポテトチップスかピーナッツぐらいは小皿で出してくれます。あくまでその後の夕食に全力注入という場合は、これでつないでレストランの開店時間を待つ、となります。

食前酒タイム=アペリティーボは、だいたい18時or18時30分〜19時30分or20時。

飲み物の単価が高くなっている店(グラスワインで8〜10ユーロ)では、ちょっとした軽食が一緒に出てきます。定番は、下の写真のような、オリーブや、ハムやトマトをパンの上に載せたオードブルっぽいつまみ。この後に大切な夕食が控えているわけですから、量としてはこれぐらいが丁度いいです。とりあえずの空腹を紛らわすことができ、アルコール効果で食欲が増進され、夕食に向けて「肩」が出来上がります。飲み物だけで、つまみは要らないという場合は、言えば対応して値段も引いてくれると思います。

ブッフェ形式のアペリティーボ

食前酒タイムを設けている店の、もう1つのパターンはブッフェ形式です。

ブッフェ+ワンドリンクで、おおよそ6〜10ユーロぐらい(町やエリアによってけっこう違います。例えば有名な広場にある店や、ドゥオモが見えるロケーションのような場合10ユーロ以上するかもしれません)。店内のテーブルに、↑↑こんな感じで軽食が並べてあるので、使い捨ての皿に自分で盛ります。ブッフェなので何回取りに行ってもOK。

生ハムなどイタリアらしい食べ物もありつい食べすぎてしまうので、この後の夕食に万全のコンディションで臨みたい場合はこのブッフェ形式はリスキーかもしれません。

逆に、昼食をたくさん食べ過ぎて夜は軽く済ませたい、という場合には使えるかと思います。

アペリティーボの飲み物

世界中でブームのクラフトビールを出す店がイタリアでも増えていますが、そうでない場合、イタリアはビールの国ではないので、ワインのほうがいいと思います。

食前酒として考えると、何となく、赤より白ワインのほうが軽くて適しているような気がします。さらに発砲になると、飲みやすさ、口当たりの軽さが増し、いかにも食前酒という感じです。実際「プロセッコ」というヴェネト州で作られる白発泡酒は、食前酒の定番になっています。

ワインが苦手な人は「アペロール・スプリッツ」という飲み物を。アペロールは、赤味がかったオレンジ色のリキュールで、味はハーブと柑橘系の香り。これを、上述の白発泡酒「プロセッコ」で割り、スライスしたオレンジを加えたものが「アペロール・スプリッツ」。

↓食前酒の定番「Aperol Spritz」↑

これも食前酒の定番で、ワインが苦手な人だけでなく、アルコールが強くない人でも飲みやすいです。

(おわり)

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