2019年12月、あのライアンエアーに今更ながら初搭乗しました。
ライアンエアーは徹底したコスト削減でよく話題になる欧州LCCのパイオニア。
例えば、
- 2009年「トイレの有料化を検討」とニュースに。
- 「You must check in online」。空港チェックインは55ユーロの追加料金。
- 2018年からキャリーバッグの機内持込みも有料化。
などなど。
航空会社:Ryanair
往路:ボローニャ 6時35 → 8時05 パレルモ
復路:パレルモ 13時30 → 15時05 ボローニャ
遅延:なし(往路は20分、復路は10分早く到着)
料金:往復59ユーロ(預け荷物なし、手荷物は小さい鞄だけ←後述)
チケット購入:搭乗20日前
ネガティブな評判も多く、かなり身構えて搭乗に臨んだためか、言うほど悪くないかも?という印象を受けました。
利用前ライアンエアーに対して持っていたイメージと、実際のところどうだったのか、について書いてみようと思います。
【イメージ】手荷物の規定が厳しい
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【実際】その通り。基本料金ではキャリーバッグ持込不可
往路のボローニャ→パレルモ。スタンダード料金は33ユーロ。
このスタンダード料金で機内に持込める手荷物は、このサイズの小さいバッグだけで、これを座席の下のスペースに収納しなければなりません。頭上の荷物棚は使用不可。
こんなサイズのキャリーバッグは存在しないので、実質的に機内に持込むキャリーバッグは追加料金と言えます。
今回は1泊の国内旅行だったのでこの小さいバッグだけでしたが、個人的にもこれは例外的なケースで、やっぱりキャリーバッグは持込みたいところ。
スタンダード料金で決済した後でも、搭乗2時間前まで追加荷物のオプションを購入できます。€15,40(真ん中) → キャリーバッグを機内に持込め、収納棚も使用可能。
€13,20(一番右) → 10kgまでの荷物をチェックイン時に預けることができるが、機内持込みは小さいバッグのみ。
いずれも片道の追加料金で、定額ではなく便によっても料金が異なっているようです。
このキャリーバッグの機内持込み有料化は2018年からのルールで「ついにそこまで手をつけたか!」ともっぱら不評だったようですが、実はいい面も多いと感じます。キャリーバッグの機内持込みが有料化になる前は、荷物棚のスペース確保争いが熾烈だったはずです。席近くの荷物棚が埋まってしまった場合、狭い通路をかき分けて空きスペースを探しに行かなければなりません。
LCCでなくてもこれが搭乗時の列の流れを止めているシーンをよく見ます。
今回のフライトではこの混乱が少なく、収納棚も埋まってはいましたが収まりきらない程ではありませんでした。有料化にした結果、キャリーバッグを機内に持込む人が少なからず減少したからだと思われます。
乗客の荷物収納がスムーズにいけば、そのぶん出発も早まるわけで、これもいい面です。
【イメージ】何だかんだオプション料金が必要なのでは?
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【実際】2時間程度のフライトならほとんど要らない
ライアンエアーのサイトでフライトを選ぶと、まず、料金プラン選択の画面。ここで先述の通り小さいバッグのみ持込み可能のスタンダードプランを選択しました。
で、ここから決済のページにたどり着くまで、各画面でさまざまな追加オプションを聞かれます。
- 座席指定&事前チェックイン(€4〜)
- 旅行保険(€10,99〜)
- 保安検査の優先レーン「Security Fast Track」(€3,99)
- 機内での飲食物
すべてスルーしました。最近では、LCCでなくても事前座席指定は有料化の流れですが、それでも出発24時間前になると席を選べる場合が多いです。
ライアンエアでは出発前日になっても座席を選べません。座席を選ぶには追加料金が必要。例えば、通路側や窓側の席は4ユーロから。
この座席指定オプションを追加しない場合、ランダムな席が振り分けられ、通路側や窓側ではない真ん中の席になります。
普段は何があっても通路側を確保しますが、今回のように1時間半程度のフライトなら真ん中の席でも「まぁ、あり」と感じました。しかし2時間以上だったらやっぱり通路側を選ぶと思います。
【イメージ】搭乗時の長い列、待ち時間‥
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【実際】列に早く並ぶ必要を感じなかった
よく利用するボローニャ空港で、ライアンエアの搭乗ゲートが長い列でカオス気味になっているのを何回も見てきました。それを見るたびに「ライアンエアだけは利用するまい」と、今思えばカッコつけていました。
早めに列に並ぶのは、できるだけ早く搭乗して荷物棚のスペースを確保するためだと思われます。
しかし、今回の荷物は、座席下スペースに収納と決められている小バッグだけだったので、荷物棚のスペース確保争いに参加する必要がなく、よって早くから列に並ぶ必要がありませんでした。この部分は自分にとって大きかったです。
早く搭乗する必要がないので、列が短くなるまで近くのベンチに座っていればよく、気分的にだいぶラクでした。
キャリーバッグ持参の場合は、機内持込み荷物追加オプション(真ん中)ではなく、
預け荷物オプション(一番右)がいいように思います。
チェックイン時に荷物を預けてしまえば、機内で収納棚のスペース確保を気にする必要がなく、よって早くから列に並ぶ必要がなくなるからです。
【イメージ】遅延が多発
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【実際】2019年は定時運航率90%以上?
今回利用したボローニャ〜パレルモ(1時間半)は、往路は20分、復路は10分、定時より早く到着しました。
ライアンエアーの地上スタッフは、かなり時間管理を重視したオペレーションをしているように見えました。当たり前かもしれませんが。復路は、前便の乗客を降ろし終わったのが出発15分前。
きつきつのスケジュールのように見えますが、結果的には目的地に10分早く到着しました。
ライアンエアのコーポレート情報サイトでは定時運航率を公表していて、2019年の1月〜11月は全月で90%以上。ただ「ATC Disruptionを除く」という注が付いています。この「ATC Disruptionを除いた」定時運航率というのがどういうことなのか、ちょっと調べてみたのですが結局よく分かりませんでした。
この自社発表のデータによると、2018年の定時運航率は85%。(同年のANAは84.43%)
ところが、航空データを扱うOAG社による「2018年定時運航率ランキング」(フォーブス誌に掲載)を見ると、ライアンエアはTOP20にも入っていません。
このあたりの事情はよく分かりませんが、結局のところ、LCCの中でも特に遅延が多いということではないが、かといって特別に優秀なわけでもない、ぐらいの認識でいいのかもしれません。
【よく聞いていた話】搭乗券プリントアウトが必要
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【実際】アプリでOK
ライアンエアーでは事前のオンラインチェクインを強く推奨。「You must check in online」と書かれています。
当日、空港カウンターでチェックインをすると55ユーロの追加料金。以前は自分で搭乗券をプリントアウトして持参しなければならなかったようですが、今はアプリでOK。今回のボローニャ〜パレルモ便でも、ライアンエア公式アプリのQRコード搭乗券だけで問題ありませんでした(上↑はiPhoneのWalletに入れたもの)
つまり、預け荷物がない場合はチェックインカウンターをスルーして直接セキュリティ検査へと向かいます。
ただ、日本人の場合、チェックインカウンターに立ち寄って「ビザチェック」という手続きが必要な場合があるそうです。
いろいろな方のライアンエア搭乗記を拝見すると、この「ビザチェック」は国内線やシェンゲン国同士を結ぶフライトでは必要ないということのようです。
欧州内でもイギリスやクロアチアなどはシェンゲン国外なので、この「ビザチェック」が必要ということになると思います。
【その他】
2時間前の空港到着 今回のボローニャ〜パレルモ便では搭乗券はアプリのQRコードでOKでしたが、なにぶん初ライアンエアだったので一応自宅でプリントアウトもしておきました。
その、PDFの搭乗券には、持込める荷物の規定や当日のタイムスケジュールなど必要な情報がコンパクトにまとまっていました。これによると、空港到着は2時間前までに、と標準的。LCCはいろいろ待たされるから早めに到着したほうがいいのでは?と勝手に思っていたので、意外と普通だなと思いました。
欧州の中都市を結ぶ便こそ利用価値大 ロンドンやパリなど大都市発着のライアンエア便は、メーン空港でないアクセスの悪い小さい空港を使用しています。例えば、ロンドンやパリの場合、ヒースロー空港、シャルルドゴール空港ではありません。
しかし、小中都市の場合は複数の空港を持っているわけではないので、他のエアラインと同じ「普通の」空港を使用しています。今回利用したボローニャ〜パレルモ便も、両都市ともメーン空港からの発着でした。なので、空港施設も整っているし、市内へのアクセスも良く快適。
★★
「バスだと思って乗ればいい」とはよく言ったもので、2時間程度のフライトなら単なる移動手段として割り切れると感じました。
旅行後すぐに、他にどんな行き先があるのかな?、とつい調べてしまったぐらい「全然悪くない」というのがライアンエア初搭乗の感想です。
(おわり)