【2022年11月7日更新】
イタリア旅行では、ミラノかローマ空港から入るパターンが多いですが、地理的に主要都市の中心に位置し、観光の起点として最適、空港へのアクセスもいいボローニャ空港から入るという選択肢もあります。
ここでは、イタリア周遊の場合のボローニャ起点のススメについて書いてみます。
ボローニャ空港から市内のアクセス方法については、↓こちらに詳しく書きました。
ボローニャを起点に他都市へ
ここ5年ぐらいでイタリアの高速鉄道がそれなりに充実してきて、「Trenitalia」という旧国鉄と、「Italo」という私鉄の2つを利用できます。Italoは、2012年に事業を始めた鉄道会社。
それを使えば、
- ボローニャ → フィレンツェ
(35分、片道約30ユーロ) - ボローニャ → ミラノ
(1時間10分、片道約45ユーロ) - ボローニャ → ヴェネツィア
(1時間25分、片道約35ユーロ) - ボローニャ → ローマ
(2時間15分、片道約65ユーロ) - ボローニャ → トリノ
(2時間20分、片道約60ユーロ)
と、主要観光都市の日帰りも(ローマとトリノはちょっときついですが)十分できます。
旅程をかっちりと決めず、ボローニャに宿だけとり、その日の気分で行き先を決めるような旅も可能。当日購入の場合でも、電車の席がすべて満席ということはまずありません。
上記の値段は普通運賃で、両鉄道とも「早割」がありネット予約もできるので、それを利用すれば費用をもっと抑えることもできます。
空港からのアクセスは随一
自分の場合、機内で過ごす時間は長くても苦にならないのですが、乗継ぎの待ち時間と、目的地空港に着いてから市内までの所要時間が長いと、いやになってしまいます。
- ボローニャ空港 → 中央駅
(バス、タクシーで25分) - ミラノ・マルペンサ空港 → 中央駅
(バスでも電車でも50分) - ローマ・フィウミチーノ空港 → テルミニ駅
(電車で32分) - フィレンツェ空港 → S.M.Novella駅
(バス、タクシーで約25分)
例えば、ミラノ・マルペンサは、アクセスがいい空港とはとても言えません。
12時間近いフライトでやっと着いたと思ったら、ミラノ中央駅まで行くのに、バスでも電車でも50分。。中央駅に着いてから、徒歩圏内に手頃でいいホテルがあるのが救い。(イタリア系チェーン「UNA Hotel」、「Starhotels Echo」はとても良かった)
ボローニャ空港の場合、2020年に開通したモノレールで中央駅までは約10分。
- 空港←→中央駅、10分
- 7〜15分おきに1本
- 片道9,2ユーロ
タクシーの場合、空港からボローニャ駅まで20〜25分、約25ユーロ。
ボローニャ中央駅近辺のホテル
冒頭の写真は、ボローニャ中央駅前のもの。3つのホテルが並んでいて、すべて仏・伊の大手チェーン。写真の中に振った番号順に左から、
- フランス系の「メルキュールホテル」、
- イタリア系の「Starhotels Excelsior」
- イタリア系の「UNA hotel」。
3つの中では一番手頃なメルキュールは、エールフランスやアリタリアのクルーが利用しているのをよく見かけます。
メルキュールは、パリが本部のアコーホテルズグループで日本やアジアにも展開していますが、イタリア系の「Starhotels」と「UNA hotel」は、欧州にしかありません。
独立系なら、駅から500メートルの「I Portici Hotel」(↑写真)。メーンストリートの Indipendenza通りにあり、伝統的な建物にモダンな内装、1階のレストラン「Ristorante I Portici」は、2017年ミシュランの1つ星獲得。駅から500メートルのうち半分は、石畳でなく舗装されたメーンストリートをなので、スーツケースも何とか引きずっても歩ける範囲内だと思います。
値段を抑えるなら、一本裏通りにある「MillenHotel」(↑写真上)。冒頭の3つのホテルのちょうど裏手にあり、少し裏通りを歩かなければなりませんが、距離は駅から350メートル。以前、オフシーズンにあたる8月に宿泊した時は約6000円でしたが、時期によっては駅前のメルキュールホテルと値段差がないこともあり、その場合は迷わずメルキュールがおすすめです。
駅前3ホテルはチェーンならではの安定したサービスと現代的な内装、価格重視なら「MillenHotel」、欧州らしいクラシカルな雰囲気も併せ持つ「I Portici Hotel」。駅近辺でもこれだけ選択肢があります。
ボローニャへのフライトがある航空会社
日本からイタリアへの直行便は、アリタリアのローマ便とミラノ便だけ、2022年11月就航のITAエアウェイズのローマ便のみ。
ボローニャへは、欧州系航空会社か、エミレーツ、ターキッシュを利用して乗り継いで行くことになります。
ボローニャ行きのフライトがあるのは、欧州系なら、
アリタリア- ルフトハンザ
- エールフランス
- ブリテイッシュエアウェイズ
- KLMオランダ
- オーストリア航空
- SAS(スカンジナビア)航空
メリットが多い夜便 日本を夜遅くに出発すると、ヨーロッパに早朝に到着。現地滞在時間を長く確保できるだけでなく、次のようなメリットも。
- 夜到着に比べ、ホテルまでの道のり等に安心感がある
- 飛行中は日本時間の深夜なので寝つきやすい
- 首都圏在住者なら、仕事後でも利用可能
- 乗継ぎ時間が比較的短い
この夜便を持っているのは、ANA、JAL、エールフランス。2019年9月の適当な日で調べてみると、
【エールフランス】
総移動時間:16時間55分
羽田 22時55分 → 朝4時35分 パリ
パリ 7時10分 → 8時50分 ボローニャ
【ANA&ルフトハンザ】
総移動時間:16時間35分
羽田 24時10分 → 朝5時20分 フランクフルト
フランクフルト 8時25分 → 9時45分 ボローニャ
【JAL&ブリティッシュ】
総移動時間:16時間15分
羽田 01時55分 → 朝6時25分 ロンドン
ロンドン 8時00分 → 11時10分 ボローニャ
10年近く、日本←→イタリア路線をいろいろな航空会社で利用してきましたが、タイムスケジュールと上記メリットを鑑みると、この3便がベストだと思います。
エミレーツとターキッシュもボローニャ便あり
潤沢な資金に物を言わせた設備投資、国際色豊かなクルー、原油生産国ゆえのリーズナブルな値段設定。中東エアライン御三家と言われているらしい、エミレーツ、エティハド、カタール。
その中でボローニャへのフライトを持っているのはエミレーツです。
移動時間が北回りの欧州系より長くなってしまいますが、時間に余裕がある旅行であれば、もちろん検討価値あり。エミレーツのいいところは、
- サービスや機内食には定評(エコノミーでもアメニティがあったり)
- 乗継ぎのドバイ空港の施設が充実
- セールをすると結構安い
例えば、羽田を24時30分に出る下記の便なんかは悪くないと思います。ただ、羽田からドバイまで約10時間45分、北回りだったらフィンランドまで行けてしまうので、やっぱり結構かかるなという気はしますが。
【エミレーツ航空】
往路(総移動時間:20時間20分)
羽田 24時30分 → 朝6時15分 ドバイ
(10時間45分)
ドバイ 9時30分 → 13時50分 ボローニャ
(6時間20分)
復路(総移動時間:19時間)
ボローニャ 15時35分 → 23時30分 ドバイ
(5時間55分)
ドバイ 02時40分 → 17時35分 成田
(9時間55分)
ターキッシュエアラインズも、サービス、ネットワーク、価格と中東勢に負けず劣らず。
イスタンブール←→ボローニャのフライトを持っており、飛行時間は2時間45分。こんなに近いのか、と意外な感じがします。一度利用した時は機内食のトルコ料理の美味しさに驚きました。
ランダムに2019年9月の出発で調べてみると、
【ターキッシュエアラインズ】
往路(総移動時間:19時間30分)
成田 21時40分 → 3時40分 イスタンブール
(12時間)
イスタンブール 8時30分 → 10時10分 ボローニャ
(2時間45分)
復路(総移動時間:17時間10分)
ボローニャ 19時00分 → 22時30分 イスタンブール
(2時間30分)
イスタンブール 01時40分 → 19時10分 成田
(11時間30分)
往路の総移動時間、17時間10分は優秀。欧州系と比べても遜色ありません。
年間を通して結構リーズナブルな価格を保っている印象があり、価格重視なら、中国系やアエロフロートより断然いいと思います。
(おわり)