2017年までは、ことあるごとに「イタリアにはスタバが1店舗もないんだよ」と得意げに語っていました。
スターバックスどころか、コーヒーショップのチェーン店すらほとんどなく、「体感」では98%が個人経営のバール。
街を歩いていると、日本の都市部のコンビニぐらいの頻度でバールを見かけ、どの店にも常連のおじさんみたいな人がいます。
コーヒー = エスプレッソのイタリアでは、普通のコーヒーはカフェアメリカーノと呼ばれていて、そこにはちょっと「ディスり」が入っている感じがしなくもなく、バールでそれを頼むと、エスプレッソと別カップに注がれたお湯が出てきたりします。
コーヒーが美味しい国は他にもいくらでもあると思いますが、エスプレッソに関しては、イタリアが世界でもトップレベルのはずです。
そんなわけで、根付きに根付いたバール文化が外来のものを受け入れるわけがなく、スターバックスにも付け入る隙を全く与えていませんでした。
このグローバルな時代にすごいことだと思います。
2018年ミラノに1号店オープン
「イタリアにはスタバが1店舗もないんだよ」と得意げに語り続けていた2015年頃、ミラノにスターバックスがオープンする、という話を耳にしました。
よく覚えてはいませんが、まだ公式の発表ではなかったと思います。
イタリアでは、街に新しい〇〇ができる、という話が持ち上がっても結局実現されなかったり、着工するまで、そして工事にも時間がかかる場合が多いので、ミラノ・スターバックスの話も立ち消えになるのでは、と見ていました。
が、2017初頭ぐらいに新聞などでも公式発表され、結局2018年9月にオープンしました。
スタバに見えない外観
ついにイタリアにもできてしまったスターバックス。
これを皮切りに店舗を増やし、スターバックスがイタリアのバール文化に食い込んでいく、ということはまずないと思われますが、やっぱりあのまま牙城を守り続け「スタバがない国」であり続けてほしかったので、少し残念でした。
2018年12月、ミラノに行く機会があったので、オープンして間もないスターバックス、イタリア1号店をのぞきに行ってみました。
ドゥオモから400m、おそらく歴史的な建造物の内装をリノベーションしていますが、外観からはスターバックスだとわかりません。看板のロゴもかなり控えめ。あとで調べて知ったのですが、この形態のスターバックスは「Starbucks Reserve Roastery」という新コンセプト店で、2018年12月現在、シアトル、NY、上海、ミラノにしかなく、2019年は、中目黒、シカゴにもオープンだとか。ミラノらしく洒落た店内、とでも書こうかと思ったのですが、他店の写真をネットで見てみるとテイストは結構似ているように感じました。「イタリアにできたスターバックス」という興味で店内の様子を見に行ったのですが、外観以外にはイタリアらしさをあまり感じませんでした。
グッズ類(↓写真)も、これがイタリア店独自のデザインなのか、「Starbucks Reserve Roastery」全店に共通するものなのかは分かりませんでした
とはいえ、世界にまだ数店舗しかない新コンセプト店で、ドゥオモからも歩いて5分程度、注文せずに店内を見るだけでもOKのようだったので、観光がてらのぞいてみるのもいいかと思います。
(おわり)