リニューアルしたブレラ美術館。名画を見ながらお酒も楽しめるカフェ

ミラノ・ブレラ美術館内にある「Caffè Fernanda」について、です。

ブレラ美術館では、40近くある部屋を鑑賞していくと、順路の最後にあたる1室がこの「Caffè Fernanda」になっています。2018年10月に、リニューアルが完了したブレラ美術館。そのリニューアルプロジェクトの一環として、以前は入口だった一室をカフェに。

バーカウンター頭上の絵画がかっこよくきまっています。

店名「Caffè Fernanda」は、1943年に激しい爆撃を受けた後、1950年に美術館を再開させた当時の女性館長「Fernanda Wittgens」の名前から。私が撮った写真では雰囲気があまり伝わらないのですが、雑誌で初めてこのカフェの写真をみたときは「おぉ!」と思いました。

「caffè fernanda brera」などで検索すれば、イタリアのいろいろなニュースサイトに写真が載っています。例えば、デザイン関係のサイト↓
www.cieloterradesign.com/caffe-fernanda-brera-rgastudio/
など、写真が充実。

 

カフェだけの利用もOK。一杯飲みながら名画鑑賞も

館内の順路の最後がカフェになっている、という書き方をしましたが、カフェだけの利用も可能。

この「Caffè Fernanda」についての記事を掲載しているサイトのいくつかでは「絵画館でアペリティーボを!」といった見出しで紹介されています。

「アペリティーボ」は、夕食時間が20時以降と遅めのイタリアで、18時〜19時ぐらいにバールなどに友達などと集まって軽く一杯飲む習慣。オリーブやポテトチップスなど簡単なつまみと一緒にワインやスプリッツを飲みます。

イタリア旅行では「あるある」の1つと思うのですが、お楽しみの夕食に万全のコンディションで臨むために昼食は軽めに済まし、観光で歩き回って夕方にはもう空腹、でもレストランの開店時間は早くても19時から。。。

こんなとき、切り売りのピザなんかを食べたら台無しなので、軽く一杯、つまりこの「アペリティーボ」をやってみるのも手、かと思います。

ドゥオモからこのブレラ美術館までは約900m。ブランドショップ通りとして有名な「Via Monte Napoleone」からは約600m。

ドゥオモ周辺で観光やショッピングをしつつ、ヴィンテージショップや小さいブティックなどが石畳の小道に連なるブレラ地区へ。ブレラ美術館内の「Caffè Fernanda」で、夕食時間までのつなぎとして、名画を眺めながら軽く一杯。

友人などがミラノに来て案内する場合など、こんなプランをオプションの一つとして持っておこうと思いました。

 

ミシュラングリーンガイドを携えブレラ美術館を鑑賞

美術や絵画に明るくないので、美術館へ行く時はミシュラングリーンガイドを参考にします。レストランの格付けで有名なのは赤い装丁のレッドミシュラン。緑のグリーンミシュランは、旅行ガイド。写真は、既に絶版だった10年以上前にヤフオクで入手した日本語版(今でもアマゾン等で中古を購入可能)

写真はほとんどなく、素っ気ないぐらいコンパクトに歴史や文化の記述に絞り、訪れるべき観光スポットをやはり星で格付け。小さい街でも文化的価値が高ければスペースを割いて掲載しています。

グリーンミシュランによるブレラ美術館の三ツ星、つまり絶対見ておくべき絵画は、

①「聖母の婚礼」(Sposalizio della Vergine)、ラッファエッロ作ブレラ美術館内は写真撮影可能でした。この「聖母の婚礼」のように有名な絵画には人が集まり、みなスマートフォンに写真を収めていました。

②「死せるキリスト」(Cristo morto)、マンテーニャ作 ← ウィキペディアの画像リンク

③「ばら園の聖母」(Madonna del Roseto)、ルイーニ作 ← ウィキペディアの画像リンク

④「ブレラの祭壇画」(Pala di Brera)、ピエロ・デラ・フランチェスカ作 ← ウィキペディアの画像リンク

⑤「アレクサンドリアにおける聖マルコの説教」(Predica di San Marco in una piazza di Alessandria d’Egitto )、ベッリーニ兄弟作一番長い時間見た絵。

美術的にどう凄いのか自分にはあまり分からないのですが、人に引かれて散歩する麒麟や駱駝、頭にターバンを巻いた人たちなど、(イタリアから見れば)異国情緒が溢れすぎていて、目を引かれました。まず、場所はどこなのか?、どういった歴史的シーンなのか? 気になります。

題名から、古代エジプトの都市アレクサンドリアの広場とわかりますが、どの教会かまでは特定していません。

同じように題名から分かるのは「聖マルコ」が説法している場面ということですが、「聖マルコ」はベネツィアの守護聖人であり、ベネツィア・サンマルコ広場の名前にもなっているサン(=聖)マルコ。

絵画に添えらている解説を読んで分かったのはこれぐらいでした。どうして、ベネツィアの守護聖人である聖マルコがエジプトのアレクサンドリアで説法しているのか?

後で調べてみると、聖マルコの遺体はもともとエジプト・アレクサンドリアの教会に眠っていたものを、ベネツィア商人が強引に買い取りベネツィアに移送したもの。イスラム教徒の目を逃れるため、豚肉と一緒に移送し無事にベネツィアまで運び出した、とか。

その、聖マルコ「強奪」の場面は、ベネツィア・サンマルコ寺院の正面に描かているそうで、何回もベネツィアに行っているのにそれすら知らず、情けないかぎり。。作者は、ベネツィア生まれ、ジョバンニ&ジェンティーレのベッリーニ兄弟。兄ジェンティーレは、コンスタンティノープル(現イスタンブール)に滞在経験があり、そのとき見たものから想像を膨らませ、古代アレクサンドリアの教会を描いたそうです。

で、コンスタンティノープルに滞在した理由というのが、オスマン帝国のスルタン「ルフメト2世」の肖像画を描くため。肖像画を描くためにベネツィアから派遣された、というのがすごい。

そうすると今度はその肖像画を見てみたくなります。調べてみると、ロンドンのナショナルギャラリー所蔵。

こういう知識があれば、もっと美術作品が楽しめるのに、、とつくづく思います。

聞いたことがある美術館なら一応見ておこうと足を運ぶのですが、そこまで有名でない場合はガイドブックに載っていても割愛してしまうことがあります。

ミラノの場合「最後の晩餐」もあるので、ブレラ美術館が省かれてしまうこともあるかとあるかもしれませんが、ちょっと休憩をとるため、あるいは夕方に軽く一杯飲むためにでも、館内の「Caffè Fernanda」に立ち寄ってみると、プチ鑑賞も兼ねられていいと思います。

(おわり)