「パルミジャーノ レッジャーノ チーズ」の工場は、個人旅行でも見学可能です。工場にもよりますが、予約は同チーズの協会/組合を通します。電車とバスだけで行ける、レッジョエミリアという町の工場を見学して、併設の直売店で大人買いしてきました。
パルミジャーノ・レッジャーノの「レッジャーノ」
「パルミジャーノ レッジャーノ チーズ」の生産地はもちろんパルマが有名で、「パルミジャーノ」は「パルマの or パルマ人」という意味です(ミラノ→ミラネーゼと同様)
パルミジャーノ = パルマのxxx
レッジャーノ = ?
では「レッジャーノ」は? と言えば、「レッジョエミリア」というパルマの隣町の名前から。つまり、
レッジャーノ = レッジョ エミリアのxxx
という意味。
チーズ工場見学してきたのは、その「レッジョエミリア」。観光客にとってはマイナーですが、「パルミジャーノ レッジャーノ チーズ」の名前の一部にもなっている町です。
工場見学の様子。直売店も併設。
「パルミジャーノレッジャーノチーズ協会」のガイドの方と、直接、工場前で待ち合わせ。早朝8時30分。(予約方法については後述)
工場名:Caseificio Boiardo(caseificio = チーズ製造所)
場所:ボローニャから電車で40〜50分の「Reggio Emilia」駅からバスで15分 *行き方の詳細は後述
住所:Via L. Pasteur 20, Reggio Emilia 42122 ← Googleマップで
サイト:www.caseificioboiardo.it
見学は、他のグループと現地で合流するものと思っていましたが、我々2人だけ。
職人の方々が通常どおり行っている作業を、傍から失礼してのぞかさせてもらう感じ。なので、何となく写真を撮るのが申し訳なく感じ、英語の説明についていくのにも必死だったこともあり、撮影したのは2枚。ガイドの方と職人さんたちは時折冗談を言い合いながら終始なごやかな雰囲気でした。一通りの工程を見学し終わると(50〜60分)、併設の直売店へ(↓写真)。そこで、熟成期間の異なる「パルミジャーノ レッジャーノ チーズ」を試食させてもらえます。12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月。熟成期間36ヶ月のものなどはイタリアでもなかなか高価ですが、惜しみなく皿に盛ってきてくれます。
切り売りしているので、大人買い。このガラスケース↓の中にあるものだとちょっと大きいので、もっと小さく切ることができるか聞いてみると、すぐ後ろにチーズを切る台↓があって、好みのサイズに切ってくれます。写真右↓は、真空パックにパッキングする機械。これぐらい↓細く切って真空パックにしてもらったものを3つ購入。見学中に、製造の過程でできるリコッタチーズをその場で味見させてもらったのですが、それも直売店で売っています。でも、チーズだけを買いに再訪したときは、売り切れでした。
最低12ヶ月以上熟成させないとパルミジャーノレッジャーノチーズを名乗れませんが、それ以前の「若い」ものも売っていて、価格も割安。
「Formaggio Boiardo Fresco」という名前で冷蔵ガラスケースに(1kg = €10,5)
これも試食させてもらいましたが、私にはこれでも十分美味しく感じられ、普段食べる用として多めに買って帰りました。
こういったものはスーパーなどでは見たことがないので、直売店ならでは。
工場見学の予約方法について
該チーズの商標管理や保護、そしてチーズに押印される合格マーク等を管理している「パルミジャーノレッジャーノチーズ協会」(一部日本語ページあり)。
同協会のサイトには、見学は各工場に直接問い合わせて予約、と書いてあり、町ごとの工場リストも掲載されています。
私が見学した2015年時は、予約は協会を通して、と書いてあったので、システムが若干変わったようです。
で、今回(2018年)、ここで紹介してきた製造所「Caseificio Boiardo」を再訪し、店の人に聞いみたところ、この製造所に関しては見学予約は今でも協会を通してのみ受け付けている、とのことでした。そうすることで、協会から英語を話すガイドも派遣してもらえる、と。
もう一度、この製造所の基本データを。
製造所:Caseificio Boiardo(caseificio = チーズ製造所)
場所:ボローニャから電車で40〜50分の「Reggio Emilia」駅からバスで15分
住所:Via L. Pasteur 20, 42122 Reggio Emilia ← Googleマップで
サイト:www.caseificioboiardo.it
繰り返しになりますが、この製造所の見学予約は「パルミジャーノレッジャーノチーズ協会」に問い合わせます。見学は無料。
sezionere@parmigianoreggiano.it
へ、英語でメール。記載内容は、
- 「Caseificio Boiardo」製造所を見学希望の旨
- 見学希望日(時間は早朝のみ)
- 見学者の人数
- 英語ガイド希望の旨
場合によっては、他の製造所を紹介されるようなこともあるかもしれません。
チーズ製造所「Caseificio Boiardo」への行き方
ここで紹介してきた、チーズ製造所「Caseificio Boiardo」への行き方です。
各町の工場リストをざっと見ましたが、ここが最も公共交通機関で行きやすいように思います。
まずは、電車で「Reggio Emila」駅へ。ボローニャから40〜50分、ミラノから80〜110分。時刻表は、イタリア鉄道「Trenitalia」のサイトで簡単に調べられます。
注意点としては、「Reggio Emila AV」は別駅であること、私鉄「Italo」は停車しないので不可であること。
「Reggio Emila」というところは、こう言ってはなんですが、けっこう地味な町です。幼児教育に力を入れていて、そのメソッドは「レッジョ アプローチ」と呼ばれ、世界的にも有名らしいです。駅周辺エリアは、中国人やアフリカ系移民のコミュニティ。店やレストランもほとんどその人たち向けで、初めて行ったときはちょっと面食らいました。
電車を降りたら、バス乗り場へ向かう前に、駅構内のキオスク(↓写真)でバスの切符を、往復分2枚購入。1枚1,5ユーロ。車内でも買えますが、ときどき券売機が壊れています。駅を出ると正面はロータリー。2番バスの乗り場を(↓写真)探します。Googleマップで見るとこの辺。2番バスの「Rubiera」行きに乗って約15分、「Ritiro – Latteria」という停留所で下車。途中、14停留所ほどありますが、距離にすると約4km。道順も、ほぼ「Via Emilia」という街道沿いをまっすぐ、とシンプル。タクシーでも駅から15ユーロかからないと思います。初めて行った時は、GoogleマップのGPSで現在位置を確認しながら下車しました。左手に見えてくるこの牛(↓写真)が目印。帰りのバスは、製造所の門のすぐ近くにあるので簡単にわかります。
イタリア周遊に組み込む
限られた滞在期間で、わざわざ、このレッジョエミリアに立ち寄るスケジュールを組むのはなかなか難しいかもしれませんが、ミラノ←→ボローニャ間の移動があれば、十分可能です。
工場見学は、8時30分 or 9時00分からなので、早朝出発を厭わなければ、ミラノから日帰りもできます。例えば、
ミラノ中央駅 5時42分発
(高速鉄道Freccia Rossa利用)
レッジョエミリア駅 7時10分着
など。昼過ぎにはミラノに戻ってくることも。ボローニャ起点でも、もちろん日帰り可能です。
(おわり)