【ローマ・テルミニ駅】エキナカのこだわりフードコート、利用者の80%はローマ市民

ローマ・テルミニ駅構内に2016年にオープンしたフードコート「Mercato Centrale」は、旅行者にも使い勝手がよく、最近はローマへ行くたびに利用しています。

ただのフードコートじゃありません。例えば、各ブースに担当する「職人」の名前が必ず書かれています。パスタのブース↑には、その職人イチオシのパスタの説明も。「パッパルデッレパスタ。ソースは『La Rocca』社のポルチーニ茸と、精肉店『Savigni』の腸詰め肉で作りました」。材料の製造元までしっかり書いてあるこだわりよう。

La Rocca社は、瓶詰めキノコやオリーブを製造する1870年創業の老舗。Sarvigni は、生ハム類やフィオレンティーナステーキなどの卸業も行うトスカーナ州の精肉会社で、このフードコートにも同社の「肉」ブースがあります。

調理場も、オープンキッチンのレストランのような作り。

料理工程はすべてオープン、職人の名前のもとに責任をもって作っているということで、形態はフードコートですが、ローマの街に溢れかえる観光客向けレストランよりも遥かにちゃんとしたものが食べられます。全部で20のブース。ローマ料理の代表的な食材アーティチョーク(イタリア語でcarciofi)や、トリュフ料理などの特化されたブース、パスタやピザ、ジェラートなどの定番も揃っていて充実のラインナップ。

  • パンとドルチェ
  • 揚げ物
  • パスタ
  • チョコレート
  • グラスワイン
  • ピザ
  • Trapizzino(ピザとサンドイッチの融合。ピザのような生地に具材がたっぷり挟み込まれたローマ発ストリートフード)
  • トリュフ
  • 魚介
  • アーティチョークとキノコ
  • チーズ
  • シチリアフード
  • ベジタリアンフード
  • キアニーナ牛のハンバーグ(イタリアのブランド牛)
  • 肉とサラミ・生ハム類
  • ビール
  • カフェ
  • 寿司
  • ラーメン

 

駅構内なのに旅行者より地元客のほうが多い

国際的な観光都市の中央駅構内フードコート、というと外国人旅行者が多そうな感じがしますが、私がこれまで行った2回とも(11月と4月)、イタリア人のほうが多いぐらいでした。

しかもかなりの割合で地元客だったように思います。友達数人で軽く飲みに来た風なグループ、喫茶店がわりにただコーヒーを飲んでおしゃべりしている女性2人組、同僚と一緒にランチをとりにきたサラリーマン風、などなど。もし、外国人観光客向けの「やっつけ」料理と、ダメなフードコートにありがちなチープな雰囲気だったら地元民は見向きもしないでしょうから、これだけ地元の人が多いのは、質の高さの裏付けになっていると思います。

「利用者の80%がローマ市民」-イタリア経済紙 Il Sole 24 Ore- 地元客の方が多いという自分の印象を裏付けてくれるデータを探していたらありました。イタリアの日経新聞、Il Sole 24 Ore にこのフードコートの支配人のインタビューがあり、その中で「80%の利用者がこの『Mercato Centrale』を既に知っていて来てくださったローマ市民、たまたま立ち寄った旅行者は20%」。(2017年11月8日の記事)

 

ローマのご当地パスタ、カルボナーラ・アマトリチャーナもなかなか

ローマ市民が実際どれほどの頻度で食べているのかは知りませんが、自分のような旅行者にとっては、ローマに来たらとりあえずカルボナーラを食べておこう、となります。

日本のラーメン屋のようなカウンター式パスタブースに、ありました!「Tonnarelli」というモチモチ太麺のカルボナーラです。日本人の感覚では大盛りといっていいぐらいのすごい量。ソースも濃厚で、なかなか一人では食べきれません。レストランだったら2人でパスタ1皿だけとっておしまいというわけにはいきませんが、フードコートですから、どうやって食べても自由。このカルボナーラ1皿(8)を2人でつつきながら食べました。適量を食べられるという点が本当に使い勝手がいいと思います。

野菜もちょっと欲しいな、と「i calciofi & i funghi(アーティチョークとキノコ)」のブースへ。4月だったので、季節もの、アスパラガスのサラダを調達。アスパラガスのサラダ(7)と、食前酒として飲まれているアペロールスプリッツ(7)↓ バーエリアもあって目の前でちゃんと作ってくれました。ワインだったら、グラスワイン専用ブース↓ビールだったら生ビールカウンターへ↓。イタリアの「Moretti」。アジアのビールに近い軽い飲み口で、イタリアで一番好きなビール。注ぐ直前にグラスを洗浄しているので泡がきめ細かくておいしい。(小グラス、3)食後は、ジェラート(2,5)。イタリアで人気のフレーバー、ヘーゼルナッツ(イタリア語で nocciola)。実は、カルボナーラを食べた翌日も、またここに来てしまい、もう1つのローマの代表的なパスタ「アマトリチャーナ」(8)を食べました。アマトリチャーナは、豚ほお肉の脂身(guanciale)ダシが効いたトマトソースのパスタ。普通はスパゲティやブカティーニなどの麺ですが、このときはリガトーニというパスタでした。

このフードコート「Mercato Centrale」、有難いのは営業時間です。朝8時から24時まで、毎日営業。

イタリアでは、(ツーリスト向けではない)ちゃんとしたレストランは早くても19時開店なので、旅程の都合などで中途半端な時間に食事をする必要があるときは困ってしまいます。

例えば、19時発の電車で他の町へ向かう、という場合。そんなときでも、駅に30分早く行って早めの夕食を済まそう、といった使い方ができます。

 

レストラン探しに迷ったらテルミニ駅へ

ローマは、ミラノ、フィレンツェ、ベネツィアなどに比べて、レストラン探しが難しいといつも思います。

中心街にはツーリスト向けの店が溢れかえっています。1日中歩いて疲れきっていると「探すのもしんどいから、この辺で適当なところに入ろう」となってしまうのもよくわかりますが、であればもう少しだけ頑張って、テルミニ駅のフードコート「Mercato Centrale」まで行ったほうがいいです。

ツーリスト向けの店、というのはこんなメニューの店です。「本日のおすすめ」に、ペペロンチーニやペンネアッラビアータというのはあんまりです。それに、ジェノヴェーゼやボロニェーゼをローマで食べる意味はありません。



 

テルミニ駅構内、位置的には線路脇

駅構内なので案内表示だけで行けるだろうと思っていたら少し迷ってしまったので、おおよその位置を地図で↓↓地上階です。線路の脇のあたりですが、おそらく、途中「Coin」というデパートの売り場を通らないと辿り着けないような作りになっています。

フードコート「Mercato Centrale Roma」

こんなとき、利用しました。

夕食に勝負をかけているときの昼 一度行きたいと思っていた「RISTORANTE ENOTECA LA TORRE」という店を夜に予約し、万全のコンディションで臨みたいので昼は軽めにしたい、でもパニーノや切り売りピザではつまらない、というときにパスタ1皿を2人でシェアしたりできるので、とても都合がよかった。

中途半端な時間に食べるとき 帰りの列車がローマ発18時30分。目的地に着いてから店を探して食事するのも面倒なので、出発前に早めの夕食をこのフードコートで。食べ逃していたアマトリチャーナも食べられて言うことなし。

一人旅にも重宝 はじめて利用したのは一人でローマへ行ったとき。出鱈目な時間でも、軽く飲んだり食べたりできて便利。11時に昼食をとったり、17時頃軽く飲んだり。

とにかく、旅行者にとっていろいろな状況に応じて使えるフードコートです。

(おわり)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です