【Uber & Grab】海外旅行にこそ好相性、旅のスタイルを変える配車アプリ

2018年2月、クアラルンプール旅行で、配車アプリ「Uber」と「Grab」を初めて使いました。(シンガポール生まれの「Grab」は東南アジアで普及。コンセプトや使い方は「Uber」とほぼ同じ)

スマートフォンがない時代からいろいろな国を旅行してきましたが、電子書籍の普及で重いガイドブックを持ち歩く必要がなくなり、Googleマップのおかげで紙の地図を現地調達しなくてもよくなりました。

今回、初めて訪れた海外の都市で、配車アプリを実際に使ってみて、同様のインパクトを感じました。

日本では「Uber」が、日常生活の中で、タクシーに次ぐ選択肢としてこれから浸透していくかどうかという段階ですが、配車アプリは、海外旅行でこそ、その特性が発揮されると思います。

配車アプリ「Grab」の操作画面

 

目的地指定・配車・支払いすべてスマホで完結

配車アプリの特性はなんといっても、

  • 目的地を設定すると同時に乗車料金が表示される
  • 支払いは、運転手にではなく、アプリに事前に登録したカードで決済。降車時の煩わしい金銭のやりとりが必要ない

この2点が、従来の海外旅行の際に必ず付随していた移動時の問題と不安を、見事にとっぱらってくれます。

クアラルンプール観光中「Uber」と「Grab」を使う度に、その利便性を実感し、「今までの観光ではこうはいかなかったよなぁ」と、感慨にふけってしまいました。

 

配車アプリを使えば今までの観光とこんなに違う

クアラルンプールで配車アプリを実際に使いながら感じた、今までの観光との違いをシチュエーションごとに。

状況1
歩けない距離ではないけど、もう疲れて歩きたくない。でも、タクシーが拾いにくい場所だし、距離も近すぎて、運転手に嫌がられそう。。

配車アプリがあれば‥ どんなに近い距離でも、まず目的地を入力すると、アプリがドライバーを探してくれます。そして「ドライバーが見つかりました。XX分で到着予定です」とメッセージが出た時点で、ドライバーはその短い距離を承諾しているわけで、こちらは何の気兼ねもいりません。

クアラルンプールのレストランで夕食後、ホテルに戻ってきたのは22時頃。ちょっと軽く飲みたい気がするけど、滞在ホテルの近くにいい店がない。そういえば、気になっていたマンダリンオリエンタルのラウンジバー(写真↑)に行ってみようか、、

となったとき、従来であれば「距離は近いけど地下鉄で行くと不便」、「歩くのは億劫」、「慣れない土地で夜のタクシーはちょっと嫌だ」と結局断念するのが関の山でした。

しかし、今回は、配車アプリのおかげでこの状況でも気軽に目的地へ行くことができました。配車まで10分かかりましたが、ホテルのロビーのソファで待っているのでストレスはありません。

 

状況2
(タクシー乗車中に)あれ? この道、合ってる? この運転手、わざと遠回りしてない?

海外旅行中に現地でタクシーを使うと、運賃も時間も見当がつかないわけで、常にメーターを見て、地図アプリで現在地をチェックしながら、乗車中も気を張っていることがよくあります(国によっては、ですが)

配車アプリを使えば‥ 目的地までの乗車料金は配車時点で確定しているので、運転手が道を間違えようが、遠回りしようが全く関係なし。そもそも、運転手にとっても何のメリットもないため、そんなことするドライバーはいません。

とにかく乗ってしまえば、あとは目的地に着くまで空調の効いた車内で、ゆっくりくつろげるというのが本当に快適。渋滞につかまっても料金を気にする必要がなく、窓から街の様子を見ていれば、それだけでも十分「観光」になります

 

状況3
ローカルに人気のレストラン、行ってみたいけど場所が辺鄙すぎる。地下鉄で15分、そこからバスで10分って‥。タクシーの運転手にも店の名前だけでは通じないかもしれないから、住所を見せて説明しないと。。

観光客が少ないローカルで賑わうレストランは、観光客が足を運ばない郊外の辺鄙な場所にあったりします。

時間がかかっても公共交通機関で行ければいいのですが、駅や停留所からも離れていたりすると、結局タクシーに。

小さい店だし、運転手が場所を知らない可能性があるから、住所をメモに書いておこう、念のため紙の地図も用意して見せられるようにしよう、、などととにかく面倒でした。

配車アプリがあれば‥ どんな辺鄙な場所でも関係なし。運転手は、こちらが指定した目的地へ、アプリに表示される地図のナビを見ながら行くので、店の場所を知っている必要すらありません。

マレーシアのソウルフードであるらしい「ナシレマ」(写真↑)。首相も来店したその名店がクアラルンプール郊外に。(「Village Park Restaurant」)

場所は市内中心部から約18km。Googleマップの乗換案内で調べると電車とバスで1時間30分以上と、ありえない不便さ。

で、もちろん配車アプリを利用。市内繁華街「ブギビンタン」から、25リンギット(約700円)でした。

しかしこれは物価の安いマレーシアだからこそ成立したコスパ感。実際、日本円で700円かけていったレストランで食べた上記の「ナシレマ」は、11リンギット(約300円)。。

物価の高い国では、こんな気軽には使えないかもしれません。

 

状況4
帰りの飛行機は早朝、空港までタクシーで行くしかない。でも現地通貨が底をつきそう。。もう1回、少額だけ両替するのも面倒。。

自分は、こういう状況、結構よくあります。旅の終盤で現地通貨が尽きても、食事はカードが使える店で済ませられますが、電車や地下鉄の切符はカード支払いができない場合が、アジア諸国ではよくありました。

配車アプリを使えば‥ 事前にアプリに登録したカードで、到着時点でオンライン決済されます。運転手との金銭のやりとりは一切なし。降車時に現金の支払いをしなくていいということが、こんなに楽だとは思いませんでした。

細かいお金がなくて高額の紙幣を出して運転手に嫌がられることも、慣れない現地通貨でお釣りをごまかされる心配も一切なし。

 

気になる点、国によって相性の良し悪し

使ってみて本当に便利だったので、いろいろメリットを挙げてきましたが、気になる点も幾つかあります。

  • 何だかんだいって他人の自家用車に乗るわけで、例えば女性だけの海外旅行だったら、初めはちょっと抵抗があるかもしれない。

 

  • ユーザー評価が高くて、配車アプリ歴の長いドライバーを選べばリスクは減るが、もし事故が起きた場合の対処はどうなるのか。

 

  • 国によって、配車アプリとの相性の良し悪しがありそう。物価が高い国の場合、タクシーより割安でも、そこまで手軽に使えないかも。

 

特に最後の点については、今回自分が配車アプリ「デビュー」をしたマレーシアという国は、そもそもタクシーが使い物にならないという背景から、配車アプリが急速に普及していったようです。

普及すれば、ドライバーも増え、ユーザーは優良ドライバーを選ぶこともできるようになります。そして、観光中に度々感じた温厚な国民性。荒い運転をするドライバーには1人もあたりませんでした。

さらに、物価の安さ。上述したように、約18km(乗車時間約25分)乗っても、日本円換算で約700円! これでは、移動はすべて配車アプリを使いたくなるぐらいです。

そんなわけで、マレーシアは配車アプリととても相性がいい国です。お隣のシンガポールになると、物価は日本とほぼ変わらなくなるわけで、少なくともマレーシアでのような使い方はできなさそうに思えます。

 

使い方はとにかく簡単

まずスマートフォンの位置情報をONにし、現在地をアプリに表示させ、次に目的地の名前(ホテルやレストラン名)や住所を入力するだけ。

すると料金が表示され(降車後にクレジットカードでオンライン決済)、あとは近くにいる車をアプリが「配車」してくれます。

「Grab」も「Uber」も流れは同じです。アプリの使い方について、事前に細かく調べていませんでしたが、使ってみたらすぐに分かりました。

とにかくまず一度使ってみれば、いろいろな疑問が解決するはずです。

 

「デビュー」に最適なホテルからの利用

当初、クアラルンプールの中央駅からホテルまでの行程で、配車アプリ「デビュー」するつもりでした。

しかし、広くて人も多い中央駅で、どうやってピックアップポイントを決めるのか、簡単にお互いを見つけることができるのか、という2点について少し不安だったので、ここでの「デビュー」を見送りました。

結局、初めて使ったのは、滞在ホテルから市内の博物館まで。

ホテル正面玄関前にロータリーがあってわかりやすく、車が到着するまでロビーのソファでゆっくり待つこともできます。

結果的に、スムーズな初利用となりました。

後で知ったことですが、例えばシンガポール・チャンギ空港だと、配車アプリ「Grab」専用のピックアップポイントがあるらしく、仮にこれが初利用だった場合、車を見つけられずにドライバーからキャンセルされてしまう、ということになったかもしれません。

ですので、一度使ってみればすぐに使い方に慣れる配車アプリですが、海外での初利用時に関しては、「ホテル→目的地」は確実で「デビュー」に適していると言えそうです。

(おわり)