全日空やルフトハンザ便でイタリアへ行くとき、フランクフルト乗換えの旅程が多いですが、イタリア各都市への接続便までの乗継ぎが3時間以上になる場合が多々あります。
例えば、よく利用する全日空223便。
羽田 11時20分 → 15時40分 フランクフルト
ここから、空港で3時間以上待ち、イタリア各都市まで1〜1,5時間のフライト、更にそこからバスや電車でホテルへ向かい、着くのは21時過ぎ‥‥。結構慣れているつもりですが、なかなか疲れます。
いっそのこと、フランクフルト空港直結のホテルに1泊して翌朝のフライトで目的地へ、という旅程のほうがが体力的にも楽で、時間的なロスもそこまでありません。
空港直結はシェラトンとヒルトン系2ホテル
ANAやルフトハンザ便は、フランクフルト空港ターミナル1に到着(JALはターミナル2)。そのターミナル1に直結しているのは3ホテル。
- シェラトン
- ヒルトン
- ヒルトンガーデンイン
↓地図では「★」マークを付けてあります。シェラトンホテルは、ターミナル1に隣接。航空会社の乗務員が利用しているのをよく見かけます。
ターミナル1から歩行者専用の高架連絡通路で400mほど行くと、ヒルトン系のホテル2つが隣接。「ヒルトン」と「ヒルトンガーデンイン」。
長距離鉄道の駅(短距離鉄道の駅とは別)の真上にある「The Squaire」というガラス張りの近代的な商業施設ビルの中に入っています。
この2つのヒルトン系ホテルは、空港「隣接」ではないものの、高架の連絡通路(写真↓)を通り、外に出ることなく辿り着けるので、空港「直結」と言えます。400mといっても、でこぼこの道路を歩くのとは違い、歩行者通路なのでスーツケースも引きずりやすく、途中動く歩道もあるので、女性でも問題ないと思います。
意外と分かりにくいフランクフルト空港内、ヒルトンまでの行き方
ここからの話はすべてターミナル1のことです。ターミナル2到着の場合は「skyline」という無料シャトル電車を使ってターミナル1へ移動。
もう1回、同じ地図。ヒルトンホテルまでは、直結の高架連絡通路の出発点さえ分かれば、あとは「Hilton Hotel」の表示が度々あるのでそれに従って進むだけ。
その高架連絡通路がターミナル1のどこにあるのか、自分もちょっと迷ったので書き記しておきます。
まず、出発ロビーである1階地上階へ。
ターミナル1の1階(地上階)は、Hall A〜C と分かれているので「Hall B」へ。このように↓表示。
そして、外(道路)に出る出口の方へ向かいます。いくつかある出口にはそれぞれ番号↓が振ってあるので「出口3」へ。その「出口3」のすぐ脇にある上りエレベーターで2階にあがれば、ヒルトンホテルへと繋がる高架連絡通路の出発点↓ホテルは長距離電車駅の真上のビルに入っており、鉄道を利用する人もこの連絡通路を使うため、たくさんの人通り。あとは「Hilton Hotel」の表示に従って進むだけ。
ヒルトン系2ホテルは、長距離列車駅の真上「The Squaire」という楕円形の近代的なビル↓の中にあります。
「ヒルトンガーデンイン」と「ヒルトン」
フランクフルト空港直結の3ホテル。
その中で、シェラトンホテルにはまだ宿泊したことがありません。理由は、施設が若干老朽化しているというクチコミが多いから。
ヒルトン系2のホテルは、ともに2011年12月オープンで、2017年時点でも施設はまだ新しく感じます。
正面が「Hilton」、左が「Hilton Garden Inn」。同じ建物内に同ホテルの系列が隣接しているのは珍しいそう。
グレードとしては「ヒルトン」の方が上で、価格にして1泊数千円の差。1人なら「ヒルトンガーデンイン」で十分だと思います。2人だったときは「ヒルトン」に泊まりました。
以下、客室と浴室の写真をそれぞれ。
↑ヒルトンガーデンインの客室
↑ヒルトンガーデンインの浴室
↑ヒルトンの客室
↑ヒルトンの浴室
写真で見るとほぼ変わりませんが、実際泊まってみた印象としてはやはりランク相応に「ヒルトンガーデンイン」より「ヒルトン」の客室の方が、やや高級感があるように感じました。
朝食は、両ホテルともにビュッフェ形式。内容的には大差なかったと思いますが、若干「ヒルトン」のほうが品数が多かったと記憶。
↑ヒルトンのビュッフェ
↑ヒルトンガーデンインのビュッフェ
珍しく思ったのは、ヨーグルトコーナー。ホテルの朝食のヨーグルトは市販のカップ入りのものが多いですが、「ヒルトンガーデンイン」では大皿に数種類盛られていました(「ヒルトン」でどうだったかは覚えていません。。)これも、市販のものを大皿に盛っただけなのかもしれませんが、濃厚でおいしく感じました。そして写真右下のヨーグルトは、シリアルらしきものが入っています。
カードには「Bircher Muesli」と書いてあり、後で調べてみると日本語では「ミューズリー」。スイス発祥のシリアル食品の一種でヨーグルトや牛乳をかけて食べる、とありました。
「ヒルトンガーデン」の朝食時間は、月〜金は6時から、土日は6時30分から。
客室からの眺めについては、以下の模型↓のような構造になっているために、内側の客室の場合、建物の内部が見えるだけ。外側の客室だと、窓の外は一面、森。この写真↑だとよく伝わりませんが、けっこう奥深い森。自分は街の活気が伝わってくるようなシティービューが好きなのですが、このときは窓から見える緑もいいものだと思いました。
森の手前に1本通っている車専用道路も絵になっていて、何となくドイツらしいなと印象に残りました。
「ヒルトンガーデンイン」と「ヒルトン」、その他の違いは、
- 「ヒルトンガーデン」のほうは、全室、浴槽付き。チェックイン時に「どの部屋も浴槽付きですよ」と言われました。*Tripadvisorの口コミの中には「バスタブなし」の書き込みがありました。真相は不明です。
- 「ヒルトン」のほうは、自分が宿泊した部屋は浴槽付きでしたが、全室完備かどうかは不明。チェックイン時にお願いすればまず大丈夫と思われます。
- 「ヒルトンガーデン」のほうは、冷蔵庫が空なので、土産用のチーズ等があれば保冷できます。「ヒルトン」のほうは、中に飲み物等が入っていてスペース小。
トランジット滞在でも手軽に「ドイツ」を味わえる
トランジットで宿泊すると、体力的に楽なだけでなく、目的地と別にもう1カ国の雰囲気を感じることができ、得したような気分になります。
目的地はイタリアで、フランクフルト空港にトランジット宿泊した場合でも、滞在時間が短くても、ドイツらしさを手軽に感じることができます。
時間と体力に余裕があれば、市内までは電車で15分。この場合の鉄道駅は、ヒルトンホテルの真下にある「長距離鉄道駅」ではなく、ターミナル1の地下に直結している「短距離鉄道駅」から。
自分の場合、乗継時間が5時間もあれば市内まで出てしまいます。
「疲れて外に出る元気もない」という場合でも、ヒルトン系2ホテルは「The Squaire」という商業ビル内に入っているので、ビルの中を見て回るぐらいは出来るかと思います。
「The Squaire」ビル内にある、ビアハウス「PAULANER」でドイツビールを味わったり、スーパー「REWE」で現地の食材を覗いてみるだけで、手軽にドイツ気分が味わえます。
ビアハウス「PAULANER」は、店名そのままミュンヘンを代表する醸造所の名前。イタリアのスーパー等でもよく売っているビールです。
メニューは写真付き↓
このビアハウス「PAULANER」の向かいには、カフェレストラン「Alex」もあります(tripadvisorのページはこちら)。
メニューだけざっと見たところ、ドイツらしい食べ物は少ないようでしたが、店の雰囲気は「PAULANER」より洒落ていて、コーヒーを飲んだり、軽く飲むだけの場合は、こちらの店のほうがくつろげそうです。
「Alex」の公式サイトによると、平日は8時、土曜日は9時から朝食ビュッフェ(9,3ユーロ、ドリンクを除く。2018年1月現在)。日曜日は9時からサンデーブランチ、14,2ユーロ。
他都市でエアポートホテルに宿泊した場合、食事の選択肢がホテル内のレストランのみ、ということがよくあるので、ホテルから外に出ることなく、こういう店があるということが素晴らしいです。
フランクフルト空港・トランジット宿泊のメリット
- フランクフルト乗継ぎで、目的地(国)到着時間が夜になってしまうなら、フランクフルト空港直結のホテルに宿泊してしまうほうが楽。で、翌朝の便で目的地に向かえば時間的ロスもあまりない。
- 必要ない出費のようにも思えるが、航空券の価格は変わらない場合も多く、ホテルのコストパフォーマンスはかなりいいほう。
- 空港からホテルまで直結で便利。レストランやスーパーが入った商業ビルも直結で、食事やちょっとした買い物もでき、手軽にドイツ気分まで味わえる
欧州3大空港の残り2つ、パリ・シャルルドゴールとロンドン・ヒースローでは、こうはいきません。「ドイツ=機能的」はイメージ通り、加えて、ホテルにしてもレストランにしても物価の高さを感じないのが意外です。空港付近施設なのに価格が良心的。
この「良心」がなく、旅行者の足元をみているように感じてしまうのが、ラテン国イタリアやフランス。
外国人からみてドイツは「さすが欧州のリーダー」で、フランクフルト空港もそんなドイツのイメージ通り、機能的、良心的な空港だと思います。
(おわり)