テルミニ駅から1km、イートインできる美味しいパン屋。夕方からお酒も飲めます

日本のパン屋とイタリアのパン屋

日本に行ったことがあるイタリア人が言うには、日本のパン屋は、彼らにとってのパン屋とはちょっと違うそうです。

日本のパン屋は甘い菓子パン系が多いので、イタリア人にとっては「Pasticceria ＝ 焼菓子・ケーキ屋」というほうが近いとか。

私の家の近くでも、たしかに「パン屋」というのは普段の食卓にあがるようなパンを中心に扱っている、もう少し素っ気ない店である場合が多いです。

↑イタリアのごく普通のパン屋

逆に、日本人がイタリアに行くと、「菓子パン」のレベルの低さにがっかりすると思います。「どこにでもあるようなバールに入ったら、そこのクロワッサンが絶品」というようなことは、個人的な経験としては、めったにありません。

日本人のように焼きたてにこだわることもなく、多くのバールでは、どこかの工場で作られたようなクロワッサンが、干からびて陳列されています。日本のチェーン系のパン屋のほうが余程優秀です。

ローマで見つけた「パン屋」

ということで、旅行先ではいつも、ちゃんとしたパン（クロワッサン類）が置いてあるバールを求めて、朝からホテル周辺を探索しています。

今回ローマで、日本人的に「これこれ！」と思うようなパン屋を見つけたので、入って朝食をとりました。

テルミニ駅から約1kmほど離れた「Via Merulana」という通りを歩いていると、こんなショーウィンドーが↓

店構えは、パン屋というよりベーカリーカフェ↓。中を覗くと、いい感じなので入ってみることに。

8時頃で、まだパンの種類は少なめ。焼き色がそそるデニッシュやクロワッサンなど。裏にパンを焼いている工房も見えます。

パンを選ぶと、皿に載せてくれ、すぐ横のレジで会計。飲み物はカプチーノを注文。レシートを受け取り、レジ横のバーカウンターで出来上がるのを待ちます。

店内を見るとイートインのスペース↓↓　店の外にもテーブルが出ていますが、店内で食べてみることに。テーブルチャージはかかりませんでした。

イタリアの典型的朝食。パンにこだわる日本人も納得のクオリティだと思います。食べている途中、工房から焼きあがったパンが次々と運ばれ、この保温用の棚↓に入れられていきます。ちょうど日本のパン屋のように、バリエーションに富んだ菓子パン類。

実はここに入る前に、別のバールでラツィオ州の名産「Maritozzo」という菓子パンを食べてきたので、これ以上無理でしたが、次回は是非いろいろ試してみたい。カフェほど長居はできませんが、普通のバールよりは落ち着けて、現地の人の朝食風景を観察したりもできます。

ランチやアペリティーボ(食前酒)も

パン屋兼カフェテリアのような店なので、ランチや「アペリティーボ（＝夕食前に軽く飲んだりつまんだりの時間）」もやっているようです。

店のサイトによると、ランチは12時30分から15時まで。メニューは毎月更新され、ローマの伝統料理にちょっとオリジナリティーを加えたパスタ料理など。

↑パン屋兼カフェテリア「Panella」のサイト panellaroma.com より

そして、食前酒タイムもまた興味深いです。食前酒＝「アペリティーボ」は、夕食（20時以降と遅い）の前に、バールやワインバーなどで、軽食をつまみながら軽く飲む習慣。

ここでは、18時30分からその「アペリティーボ」タイム。おつまみの説明として、店のHPにはこう書いてあります。

アペリティーボの時間に提供しているブッフェについて、すべてを説明するのは難しいです。ピザや揚げ物、リゾット、ムース等々。ただ一つ言えることは、夕食のプレリュード（前奏曲）であるアペリティーボを楽しんでもらうために、新鮮な素材を用いて、丁寧に作っているということです。揚げ物には、風味がよく、重くならないひまわり油を使用しています。

↑「Panella」のサイト panellaroma.com より

アペリティーボというのは、軽く飲みながら仲間と楽しむ（おしゃべりする）という「場」自体が大切なようで、おつまみにこだわる店は少ないです。ポテトチップスなどのスナック類、ピーナッツ、オリーブなどしか出さない店もよくあります。

パン屋が、こだわって作るアペリティーボのつまみ。。これも、次回是非トライしてみたいと思います。

（おわり）