目黒「とんき」で外国人もてなし。日本的ディテールが詰まったとんかつ店

イタリアの休暇に合わせて帰国しているので、帰国時によくイタリア人の友人が日本観光に来ていて、食事などに連れていく機会が多いです。

「外国人をどんな店に連れて行ったら喜んでもらえるか?」。店選びには、10年近く試行錯誤を繰り返してきて何となくわかってきたのは、

  • もてなし=高級店、である必要なし。日本リピーターでない場合は特に。B級グルメ、大衆的なローカル店のほうが受けがいい
  • チェーン店は大いにアリ。居酒屋、焼肉、カレー、立ち食い寿司、、。日本のチェーン飲食店はクオリティが安定していて、コストパフォーマンスも抜群。タッチパネル注文などのチェーン店ならではの仕掛けも、外国人には物珍しくて喜ぶ

 

5回以上イタリア人を連れて行った目黒「とんき」

東京・目黒のとんかつ店「とんき」には、何回もイタリア人を連れて行ったことがあり、自分の中では、ここに連れて行けば間違いない店。

東京には、美味しいとんかつ店がたくさんあって、それに精通しているわけではないのですが、「とんき」は味もさることながら、日本らしい客への細やかな配慮、仕事に対する職人的ストイックさなど、外国人観光客にとっての「エンタメ性」が詰まった店だと思います。

列の待ち時間や食事中に、職人の働く姿と所作を見て、解説を加えつつ日本的サービスを理解してもらえれば、ただ食事をするだけではない「エンタメ」店としても楽しんでもらえるはずです。

 

外国人に「とんき」を解説する

行列 だいたいいつ行っても列ができていますが、外国人観光客には、それほど人気店だ説明不要でわかってもらえます。

そして、並んでいる時に、職人さんにヒレかロースかを聞かれるところも、システムを知らない外国人観光客だけでは入りにくそうな店、という感じがしていいです。

職人の働く姿 1階は、広い厨房を取り囲む大きなコの字カウンターで、たくさんの職人たちが、寡黙にそれぞれの受け持ちをこなしています。

見たところ、揚げ担当、パン粉まぶし担当、包丁入れ担当など細かく決まっているようで、このピリッとした雰囲気がとてもいいです。待っている間にそんな解説をします。

列さばき 列が2階へつながる階段まである場合、最初は立って待つのですが、そのうち職人さんから壁際の席に「適当に」座るように促されます。

各々がばらばらに座ってしまったら順番はどうなるの? と初めて行った時は思うのですが、列をさばく職人さんが順番を覚えていて、ちゃんと元の順番通りに呼んでくれます。

このあたりのことは、列の形成がカオス化することが多いイタリアを引き合いに、得意げに語ってしまいます。

お替わりキャベツのタイミング 食べ始める前に、ごはんとキャベツと味噌汁はお替わり自由であることを教えておきます。自分が好きなので「揚げ物とキャベツがすごく合うんだよ」とか言ったりもします。

そしてその友人のキャベツがちょうど無くなりかけた絶妙のタイミングで、職人さんがさっと何も言わずお替わりを盛ってくれます。ここで自分は、職人が全ての客の皿に目を配らせていて、客がお替わりを頼む前に必ず気付いて盛ってくれるんだ、とまた得意げに説明。

清潔な調味料入れ 何回か見たことがあるので、おそらく間違いないと思うのですが、ソース差しなどの調味料入れをときどき拭いています。

液だれでべとべとになった醤油差しやソース差しが置いてある店は、確かにあまり気持ちがよくありませんが、とんきの調味料差しは本当にぴかぴか。

自分が毎回「とんき」にイタリア人を連れて行ったとき解説していることに間違いがないか、ネットで検索して確かめているとき、Rocket News24というサイトに、とんかつの切り方にも一工夫加えられていると、ありました。次回、行ったらぜひ確かめてみようと思います。

(おわり)

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