予約必須のトラットリアでローマ料理の定番「Felice a Testaccio」

予約なし、1人で開店時間に 

予約なしで入るのは難しいかなと思ったのですが、1人だったので開店時間19時にトライしてみました。

数人の給仕が入り口付近にいて、1人なのですが大丈夫ですか?、と聞いてみると「ホールの責任者に聞いてみないと分からない」。

しばらくすると、責任者が来たので、「早く食べ終わりますから」とお願いするとOKしてくれました。

レジ近くの席だったので、ひっきりなしに電話がかかってくるのが聞こえます。この日は火曜日だったのですが「土曜日はもう満席」と断っているのも聞こえました。

中心部のやや外れも、地下鉄駅から600m

スペイン広場、トレヴィの泉、パンテオンの辺りをローマの中心部とするなら、トラットリア「Felice a Testaccio」は少し外れたところにあります。

といっても、最寄駅は地下鉄B線「Piramide」駅で、テルミニ駅から4つ目。駅から600メートルなので、そこまで不便ではありません。

本当はあるのかもしれませんが、ローマ中心部でいいレストランを見たことがありません。一日中観光して疲れていても、地下鉄に乗って少し足を伸ばせば、こんなにいい店があります。

ローマ料理の定番といえば

自分がすぐに思いつくローマ料理というとだいたい以下のメニューですが、トラットリア「Felice a Testaccio」には、ローマ風トリッパ以外はすべてあります。

Cacio e Pepe たっぷりチーズを麺にあえて胡椒で味付けしたパスタ。スパゲッティか「tonnarelli」というもちもち麺。

カルボナーラ ベーコンではなく、豚の頬肉の脂身を塩漬けにした「グアンチャーレ」を使用

アマトリチャーナ 同じく「グアンチャーレ」とトマトを使ったパスタ。発祥の地・アマトリーチェ市が2016年の地震で被害を受けたとき、サイゼリヤが「1皿につき100円」という復興支援のための寄付キャンペーンを行って話題になりました。詳しくはサイゼリヤのこのページ

Carciofi alla giudia アーティチョークはイタリア語でカルチョーフィ、その「ユダヤ風」という料理名。アーティチョークを素揚げしたもの。

ローマ風トリッパ 牛胃の煮込み。フィレンツェのトリッパも有名。

メーン料理となる2皿目は、サルティンボッカぐらいしか、ぱっと思い浮かばないのですが、それもまだローマで食べたことがありません(このトラットリアにもあります)。 

この日食べたのはカルボナーラとアーティチョーク

ここに来るといつも、チーズと胡椒のもちもち麺「Cacio e Pepe」を食べているのですが、今回はカルボナーラ(12ユーロ)。写真でもその濃厚さが伝わるかと思います。前述の、豚頬肉の塩漬け「グアンチャーレ」がちょっと脂っこいのですが、風味がすごいです。グラスワイン、ハウスワインがないので、ハーフボトルを注文。白でローカルのものをお願いすると「Frascati superiore」(9ユーロ)↓を勧められました。DOCGワイン。

 「DOCG」は、生産地や栽培方法など、最も厳しい基準を満たしたワインにだけ与えられる格付け。2017年現在、イタリア全土で75銘柄。とは言っても、値段との相関関係はそこまでなく、「DOCG」格付けのワインでも手ごろな価格のものはたくさん売っています。

いつも感じるのは、濃くて重い料理にこそワインが欠かせない、ということです。自分が暮らすロマーニャ州の生ハム類やボロニェーゼソース、ラザーニャなどのヘビーな食べ物にも、ランブルスコという発砲の赤ワインが異常に合います。

この「Frascati superiore」も、濃厚なカルボナーラにとてもよく合いました。ワインがなかったら、もっとしつこく感じたかもしれません。

イタリア料理のこってりに慣れているつもりでしたが、メーンとなる2皿目は食べられそうもないのでパス。

でも、パスタだけで終わるのはさびしいので、ローマ名物の「Carciofi alla giudia = ユダヤ風アーティチョーク」(7ユーロ)を注文しましたメニューを見ると、この「Carciofi alla giudia」は「contorni」というメーン料理の付け合わせの項目にあります。その「付け合わせ」を、パスタの次のメーン料理である2皿目のかわりとして食べる格好となりました。

イタリアのレストランでは、1皿目(主にパスタ類)と2皿目(肉や魚などのメーン料理)を必ずとらなければならない、ということはなく、パスタだけ、或いはメーンの2皿目だけ、パスタを飛ばして前菜と2皿目だけ、などほとんど何でもあり。2人でこの店に来た場合、1皿目のパスタを各自でとって、メーンの2皿目を食べる場合は、1人分だけ頼んでそれをシェアするぐらいで丁度いいと思います。

1皿目のパスタだけでも十分な満足感がありますが、せっかくなので、ローマ名物の「ユダヤ風アーティチョーク(Carciofi alla giudia)」か、「Puntarelle in salsa di alici」(←後述)を頼んでみるのもいいです。

Puntarelle in salsa di alici

ほぼ相席ぐらい近い隣のテーブルに座っていたのはイタリア人の老夫婦で、奥さんは「アマトリチャーナ」(豚の頬肉の塩漬け・グアンチャーレとトマトを使ったパスタ)、ご主人はフェットチーネ(種類は分からなかった)をとっていました。

そして、パスタの後にご主人がオーダーしたものに、2人で「おいしい」を連発していて、店の人に作り方まで聞いていたので、気になって帰り際に思わず料理名を聞いてしまいました。

「Puntarelle in salsa di alici」を画像検索する

それが「Puntarelle in salsa di alici」で、自分は知らなかったのですが、店のサイトのメニューでも見つけることができ、ローマ料理の一つのようです。

「Puntarella」は、チコリのような野菜の若芽の部分で、ローマの伝統的な冬野菜。それをいわし(=alici)のソースで和えたもの。

季節ものなので通年で食べられるわけではありませんが、次回、もしあったら必ず注文しようと思います。

暖簾分け?

イタリア人のブログを読んでいたら、以前この「Felice a testaccio」で働いていたコックが独立して開いた店がわずか300m離れたところにある、と書いてあったので店の前まで行ってみました。

  • 店名:Flavio al Velavevodetto
  • 住所 (google mapで見る)

そのブログによると、ここの「Cacio e pepe」も絶品とのこと。気になります。

こちらも機会があればぜひ試してみたいと思いました。

(おわり)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です