普通のビールが好きな人にとってのクラフトビール。専門店で飲み比べてみた基本種類。一番飲みやすいのは「Helles」

普通のビールが好きな人にとってのクラフトビール、そういう人に一番飲みやすい種類、 といったことについてです。

ワインの国イタリアにも、クラフトビール流行の波はちゃんとやってきて、それまで普通のビールしか置いていなかった店もクラフトビールを扱うようになって、注文時に「生ビール!」だけでは済まなくなってきました。

自分がどのタイプのビールをおいしいと感じるのかぐらいは分かっておきたいので、ミラノのクラフトビール専門店2店で基本種類を飲み比べた印象をまとめておこうと思いました。

ちなみに自分は、好きなビールは「サッポロ黒ラベル」というごく普通のビール好きで、お酒全般に関しても飲むのは好きですが、違いなども大して分からず、こだわりもあまりありません。

イタリアのクラフトビール業界ならではの傾向や特徴があるのかもしれませんが、クラフトビールの基本の種類分けとその名称は、おそらくどの国でも同じだと思います。

 

ビールの種類と店オリジナルのネーミングを併記

以下の写真は、最近行ったクラフトビール専門店2店のメニュー。

どちらの店でも、ビールの種類とその店オリジナルのネーミングを併記していました。例えて言うなら、
「一番搾り」←ネーミング
「ラガー」←製法によるビールの種類

2店で共通して揃えていたのは4種類のビール
② Helles
③ IPA
⑤ Stout
⑥ Blanche

1店の方にしかないけど、よく聞く種類のビール
① Pils
④ Weiss

以下、この6種類についてです。

 

①【Pils / Pilsner】日本の市販ビールはほとんどこの種類も、後に残る苦味に大きな違い。ごくごく飲めるすっきりさなし

  • 発祥はチェコ
  • 日本で飲まれているビールのほとんどはこの種類らしい
  • でも、後に苦味が残り、日本のビールのようなすっきりさはない
  • ごくごく飲みたいならこの「Pils」でなく、 ②の「Helles」

日本人が思い浮かべる普通のビールはすべてこの「Pilsner / Pils」という種類らしいです。

自分の好みのビールは、結局のところ日本のビール。喉越しがよくて後味がすっきりキレがあるもの。

「日本のビールに一番近い」と解説されていることが多いので、この「Pilsner / Pils」をいくつかの店で飲んだのですが、どうも日本のビールとは違っています。

見た目の色は確かに日本のビールそのもの。ただ、苦味がけっこう強く後に残り、ごくごく飲めるようなすっきりさはありませんでした。

その苦味を楽しめるビール好きにはいいのかもしれませんが、私のような日本の普通のビールが好きというような人には、②の「Helle」のほうが向いていると思います。

 

②【Helles】普通のビールが好きな人に一番飲みやすいのはこれ

  • ゴクゴクいける飲みやすさは日本のビールに一番近い
  • キレはないけど、ほんのりとした甘みとコク
  • 「Hlles」はドイツ語で「明るい」の意味
  • ミュンヘンなど南ドイツで一番飲まれている種類らしい

「Helles クラフトビール」で検索しても解説しているページがそんなにありませんでした。たまたま自分が行った2店のクラフトビール専門店で扱っていただけかもしれません。

というのも、ミュンヘンなどのドイツ南部で最もよく飲まれているビールの種類らしいです。

製法としては①の「Pilsner」が日本のビールに一番近いらしいのですが、この「Hells」の方が日本のビールのような飲みやすさがあると感じます。

日本のビールのようなキレはありませんが、程よい甘みとコクで飲み口がよく、飲んだ後に苦味も残らず、すっきり。

私はクラフトビール店に行くと、もっぱらこの「Helles」を飲んでいます。

 

③【IPA】クラフトビールらしい個性的な味。英国が旧植民地インドへの輸送時にポップを防腐剤として大量投入したのが発祥

  • 日本の市販ビールの対極にあるようなクセの強さ
  • 「IPA」の「I」は、インディア
  • 18世紀、英国がインドに船でビールを送る時に防腐剤として大量のポップを投入したのが発祥(←個人的に好きなエピソード)
  • なので、ポップの味が強くアルコール度数も高め

2012年頃、ビール好きのイタリア人に「最近はまっているビールがある」と勧められて飲んだのがこの「Brewdog PUNK IPA」でした。

「Brewdog」がメーカー名、「IPA」がビールの種類。

「英国のクラフトビール業界を変えた」と言われているらしいBrewdog社は、製品も広告も経営もパンクで個性的なメーカー。

日本のビールの対極のような味。ポップの味(通常の40倍だとか)がガツンときて、それでいてフルーティーという、かなり特徴あるビール。

「ポップの味」などと、知ったようなことを書きましたが、アサヒスーパードライのキリッとした飲み口に比べて、サントリープレミアムモルツの持つまろやさかがポップの味なんだと思います。

初めて飲んだときは「あ、これが『クラフトビール』っていうものなんだ。確かに普通のビールと全然違うな」と思ったのものです。

私の場合、小ジョッキぐらいまでならそのクセの強さを楽しめますが、それ以上は重く感じてきます。

 

④【Weiss】ヴァイスとかヴァイツェンと呼ばれ、ざっくり言えばドイツの白ビール

  • 「ヴァイス」とか「ヴァイツェン」とか呼ばれるジャンル(厳密には違いがあるらしい)
  • ドイツ語「ヴァイス(Weiße)」は「white」なので、大雑把に「白ビール」
  • フルーティーな甘みで、飲み口としては飲みやすい
  • でも夏に飲みたいような軽さはなく、1杯でも腹に十分たまる

 

⑤【Stout】要は黒ビールのこと

  • 「Stout」を頼めばとりあえず黒ビールが出てくる
  • 数回飲んだだけだが、クセが強く1杯目の途中からペースが落ちる程だった
  • クラフトビールの「stout」を飲むと、好き嫌いが分かれるギネスビールでさえバランスのとれた黒なのだと分かる

 

⑥【Blanche】仏語で「白」、ベルギーの白ビールのこと。香辛料が入ったスパイシー感

  • 「Blanche」はフランス語で「白」
  • つまり、ベルギーの白ビール
  • ドイツの白ビール、④の「Weiss」とは、見た目は似ていても味は随分違いスパイシー
  • スパイシーなのは、ポップのかわりに香辛料(コリアンダーなど)が使われているから

 

★★

 

結局こういうことなんじゃないか、と以下のような当たり前と言えば当たり前なことを「体で」理解しました。

大手メーカーが作る大量生産のビールは、

  • 多くの人にとって受け入れられやすい
  • バランスのとれた味

小規模な作り手による少量生産のクラフトビールは、

  • 作り手のこだわりを反映
  • 特徴のある味
  • 一部の人にはクセが強い。はまればおいしく感じる

自分の場合、幸か不幸か、日本の大手ビールメーカーの味がいわば「おふくろの味」になっていて、それに近い味のクラフトビールが一番おいしいと感じるようです。

(おわり)