【マドリード】初めてのバル巡り、ローカルな5軒で「はしごタパス」。IBIZA地区がオススメ

日頃から、イタリアのバールのつまみの貧弱さにもの足りなさを感じていて、ずっとやってみたい思っていた、強力なつまみ(=タパス)を擁するスペインバル巡り。今回、マドリード1泊弾丸で実現できました。

事前の下調べでは、日本でもこれだけスペインバルが増えているのに、本場のバルについての情報がちょっともの足りないような気がしました。

日本に近い台湾や香港だと、マニアックなローカル食堂の情報でも見つかって楽しいのですが、スペインとなると、地理的な遠さから訪れる人の数が比較にならない程少ないためだと思われます。

ほぼ初めてのマドリードで、初めてのバル巡りにしては結構いい店をまわることができたので、書いてみようと思います。

 

バルが密集する通り「Cava Baja」はやや期待はずれ

マドリード空港到着は20時40分。ホテルに着いて荷物を置き、街に繰り出したのは、22時近く。それでもまだこんなに明るい!(↓21時52分撮影)

旅行前に、「マドリード バル巡り」でオーソドックスに検索して引っかかってきたのは、「Cava Baja」という名前の通り(Google mapで)。

バルが連なる有名な通りらしく、下調べの時間もあまりなかったので吟味もせず、宿もこの近くにとりました。

で、ホテルに荷物を投げさっそくこの「Cava Baja」という通りに行ってみたのですが、ちょっと期待はずれ。どんな街にも一つや二つありそうな盛り場、という雰囲気でツーリスト向けの店も多く、自分の期待していたバルとちょっと違いました。この「Cava Baja」はそんなに長い通りではないので一応往復してみたのですが、トルティージャ(スペインオムレツ)専門店「Pez Tortilla」など気になった店はいっぱいで入れず、結局フェードアウトして周辺を探索。

最終的に入ったのは、ごく普通のバルっぽいこんな店構えのところ。当初の目的だった「Cava Baja」通りから、はずれの方まで来ていました。店の外にテーブルを出していて、そちらには結構客がいたのですが、空いていた狭い店内へ。

まずは「オラ!」とあいさつ。おばさんが挨拶を返してくれたので一安心。カウンターに座り、シミュレーションしていた通り「ウナ カーニャ(Una caña)」と言ってみたら通じました。

スペインでは、小さいグラスでビールを頼むとき、こう言うみたいです。

「Cerveza」というビールを意味する単語を使わないのが面白いなと思いメモしておいたのが役に立ちました。

翌日、ローカル色の強いバルに入っていくときも、気後れしながらも、この
「オラ!(こんにちは / やあ!)」と
「ウナ カーニャ, ポル ファヴォール(グラスのビール、お願いします)」
で凌ぎきりました。おばさんが奥に入っているときに撮影。この「caña」(カーニャ、=グラスビール)を頼むと、オリーブが一緒についていきます。

カウンターの奥にトルティージャ(スペインオムレツ)が見えたので、指でさして一切れもらいました。スペインでは、ちょっと立ち寄った普通のバルで、こんな風に自家製のトルティージャをつまめたりするのかという驚き。翌日の本格的バル巡りへ期待が膨らみます。

ビールも軽めのクセのない味で(やっぱり凝ったクラフトビールよりこういう普通のビールのほうが好み)、小グラスという「ちょい飲み」感もいいです。

グラスビールのおかわりをもらい、ついでに作り置きのポテトサラダも。あと、トルティージャを頼んだときに「Pan?」と聞かれました。一瞬「?」となりましたが、おばさんがバケットを手に持っていたので文字通り「パン」だと分かりました。

途中で若いお兄さんが一人で入ってきて、トルティージャを注文し、このパンを一緒に頬張っていました。

もう23時だったので切り上げることにしてお会計。「La cuenta, por favor」(ラ クエンタ ポルファヴォール、=お会計お願いします)。このワードもバル巡りに必須。無事、通じました。

グラスビール2杯(€1,5 x 2)と、惣菜がなぜか1品だけしか計上されておらず(1,5)、合計4,5ユーロ。何という手頃感。

翌日のバル巡りに向けて、システムを何となくつかむことができました。

 

中心街からやや外れ、地下鉄「IBIZA」駅周辺でバル5軒はしご

観光スポットが集まる「centro」地区から東方向へ約1,5km、地図でもすぐ目につく大きい公園「Parque de El Retiro エルレティーロ公園」(Google mapで)。

その公園の東側「IBIZA」地区にある地下鉄「IBIZA」駅から徒歩7、8分のエリアだけで、5軒のバルをはしごしました。

マドリードでは、こんな風にバルが密集しているゾーンが他にもゴロゴロあるのか、それとも、たまたまこの地域が実力店がひしめくエリアだったのか分かりませんが、とにかくローカル感強め(と感じた)のバル巡りが楽しめるエリアです。

前日に行った、中心街にあるバル・ストリート「Cava Baja」と比べてみると、観光客も明らかに少なかったです。というか、ほとんどいなかった。

タパスをつまみながら軽く飲める店を「バル」とここでは便宜的に書いていますが、店名は「レストラン」や「タベルナ」となっているところもあります。店の形態として、テーブルに着いて食事するレストランエリアは店の奥にあり、入口付近はカウンターの「タパスつまみゾーン」になっているところが結構あるようです。

以下、はしごした5軒のバルのデータと寸評をおすすめ順に。すべて、地下鉄「IBIZA」駅から徒歩でまわれます。


店名
:La Catapa
住所:Calle Menorca 14, Madrid 28009(Google mapで

  • カウンターのガラスケースに魚介類
  • グラスワインの種類が黒板に書いてあって注文しやすい
  • マスター(メガネの紳士)が親切でメニューを英語で詳しく説明してくれた
  • 小綺麗な内装でビジネスランチっぽい客もいれば、近所のおばさんが買い物帰りに軽くひっかけていたり。
  • 今回の5軒の中で、初心者である自分には一番入りやすかった

他の写真などは以下に


店名
:La Castela
住所:Calle Dr. Castelo 22, Madrid 28009(Google mapで

  • おそらく超人気店(昼食時間が14時からのスペインで、13時前に行ったのにほぼ店内いっぱいの客だった)
  • 魚介メニュー充実
  • 今回の5軒の中で、一番クオリティの高いタパス
  • グラスビールを頼むと付いてくるタパスでも唸るほどレベルが高い
  • 外国人観光客らしき人もちらほら(他の4軒ではゼロ)
  • 指差しで注文できる位置にタパスを置いていないので、壁のボードに書いてあるメニューをある程度わからないと注文できない

他の写真などは以下


店名:Restaurante La Monteria
住所Calle de Lope de Rueda 35, Madrid 28009(Google mapで
サイトwww.lamonteria.es(サイト内に日本の雑誌の紹介記事PDFあり)

  • ジビエ料理が有名らしい(後で知ったので食べ逃した)
  • 今回の5軒の中で最もシックな雰囲気。店員は蝶ネクタイ(でもシステムは他と同じ。カウンターでカジュアルに飲んで食べられる)
  • カウンターはすっきり、何も置かれていなので、メニューを見てタパスを注文する
  • 店の奥は、席に付いて食事するレストランエリアで、おそらく高級レストランの部類

他の写真などは以下


店名:Casa Manolo Comidas
住所:Calle de Lope de Rueda 41, Madrid 28009(Google mapで

  • 上記3店とは違って、近所のおじさんが普段使いするようなバル
  • ややオヤジ色の強い簡素な食堂風
  • バーカウンターに3、4品の作り置きタパス
  • ポテトサラダがとても美味しかった
  • スペイン人の日常生活の中のバル、を観察するのにいいかも

店名:Cafe Bar Restaurante Osine
住所:Calle de Lope de Rueda 44, Madrid 28009(Google mapで

  • ④のバル「Casa Manolo Comidas」と同じ通り、ほぼ正面。
  • 入り口付近のバルエリアは、スロットマシンがあったりと、おそらく典型的なバル
  • 店の奥にレストランエリア
  • カウンターにハムやポテトサラダなどタパスが4、5品
  • グラスビールと一緒に付いてきたムール貝の煮付けのようなタパスが美味しかった
  • 店主らしきおじさんはスペイン語が分からないと心を開いてくれなそう

ここからは、上記5軒の中から①〜③のバルの様子をもう少し詳しく書いてみます。

① La Catapa

この日のバル巡りの1軒目。店に入ってまず「オラ!」と挨拶。カウンター席に座り、マスターがこちらを見た時にすかさず「ウナ カーニャ、ポル ファヴォール(グラスビール、お願いします)」で間をつなぎます。たぶんこのメニューのイラスト(↑)になっているメガネのマスターが、グラスビールを注ぎながら、メニューについて英語で説明を始め、とても詳しく魚の種類や価格などについても教えてくれました。

地元客しかいない店でアウェー感が強かったのでとても有難かった。

グラスビールに付いてきたタパス。酢漬けのいわしが肉厚で、にんにくが程よく効いていて美味。カウンターのガラスケースには寿司屋のようにたくさんの魚介。これだけでテンション上がります。真ん中の魚を食べてみたいとマスターに言ったら、揚げてくれました↓きれいで「程よく」お洒落な店内は居心地がいいです。この「程よく」がポイントのような気がします。窓際のテーブル席で、フォーマルな格好のビジネスマンとビジネスウーマンが商談風のランチをしているかと思えば、カウンターには、近所のおばさん2人↓。それぞれ買い物帰りにふらっと寄った感じで、くつろいでいます。ビジネスランチと近所のおばさんの一休み、この両極端な用途を受け入れることができるフトコロ、本当にすばらしいです。

壁の黒板にワインメニュー。グラスの値段も書かれているので安心して頼めます。だいたい3〜3,5ユーロと手頃。Cavaが3,5ユーロ。
(↓クリック拡大でメニューが読める大きさになります)他のバルの店員やマスターも感じが悪いという人はいなかったですが、ここのマスターは一見の観光客である自分に、本当に親切に接客してくれて温かかったです。魚介もワインも充実しているし、近所にあったら絶対通いたい店です。

 

② La Castela

入って正面奥にバーカウンター↓ほぼ正方形の形をした店の壁際すべてがカウンターテーブルになっていて、高いスツールに座っている人と、そのまま立って飲んでいる人の両方。

その壁際のカウンターテーブルが、13時の時点でこんな風に↓ほぼ埋まっていました(スペインの昼食は14時から)端っこのほうに何とか1人分のスペースを確保し、バーカウンターでグラスビールを注文。付いてきたのは、こんなタパス↓キャベツのような葉野菜にパプリカのピクルス、そしていわし。どれもしっかりと味付けされていて、理想的な酒のアテ。うなってしまう程おいしかった。

バーカウンターの奥にもいくつかタパスが見えるのですが、常連のおじさんたちで埋まるカウンターの向こう側の店員は皆かなり忙しそうで、聞いてみる余裕がありません。

ちょっと手が空いて目があった店員に、壁にかけてあった「pinchos」のメニー↓から指差しで注文。「pinchos」は、スライスしたバゲットなどのパンの上に惣菜をのせたおつまみ。メニューの一番上「Clasico de anchoa en salazón」。「anchoa」はアンチョビだと分かったのでこれを注文。

アンチョビと一緒におそらくドライトマト。説明不要のおいしさ。注文したのはこれだけだったのですが、はしごをしていなかったら、あと5品でも6品でも頼んでどんなタパスが出てくるのか試してみたくなる店でした。とにかくレベルが高い!

③ Restaurante La Monteria

シックな店。店員は蝶ネクタイをしています。他のバルと違ってカウンターにはタパスなどが置かれていなくて、すっきり。グラスビールについてきたのは、このタパス↓。茄子のフライ。他のバルに比べると食器も凝っています。平日の13時30分頃でしたが、ここもほぼ埋まっていました。指差しできるものがないので、分からないなりにメニューを見て注文。注文したのは「Boquerones andaluza」。「Boquerones」を調べると「アンチョビ」と出てきます。前の店では「anchoa」も「アンチョビ」だったのですが。。

「Boquerones andaluza」はアンチョビのフライでした。奥の棒状のものはパン。ここはパンまで洒落ています。後で調べて知ったのですが、この店はジビエ料理が有名らしく、店のウェブサイトには日本の雑誌の紹介記事も載せてありました。

それでも、この鰯のフライ、からっと揚がっていて美味しかった。

平日の昼だったので客層は、おじさんやおばさん、オフィスワーカー風が数人。その中に、一人だけ、二十歳前後の女の子がいました。

こういう店に若いのに一人で来るとはカッコイイなと思っていたら、後から家族が合流。店の奥にあるレストランを家族で予約していたらしく、女の子は早く着いたのでこのバーカウンターで待っていた、ということのようでした。

そんな風に併設レストランの待ち合わせとしても使われたりしていて、とにかくお洒落な店です。

どうしてもイタリアのバールと比べてしまうのですが、イタリアのバールではアルコールを注文して付いてくるのは8割がたポテトチップス(涙)なので、「つまみ」に関しては、勝負にならないレベルの高さでした。

今回バル巡りした「IBIZA」地区が、たまたまハイレベルなエリアだっただけなのか、よく分かりませんが、こんな店があちこちにあるのだったらマドリード恐るべしです。

それにしても、イタリア語ともっと似ていると思ったけど、メニューなど見ても全然分からなかった。。

(おわり)

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