新型ウィルスで警戒レベル引上げ後のシンガポール22時間滞在

2月7日、シンガポール保険省は感染症警戒レベルを、4段階中の上から2番目へ、1段階引き上げました。

在シンガポール日本国大使館「新型コロナウイルスの発生に関する注意喚起(その7)」

そのほぼ直後の2月11日、深夜到着から約22時間、乗り継ぎのためシンガポール市内ホテルに滞在しました。

滞在時間:2020年2月11日深夜到着後、約22時間
宿泊ホテル:Indigo Singapore Katong
ホテル立地エリア:中心部から離れたカトン地区

シンガポールの屋台巡りを目当てに、わざわざ乗り継ぎ時間が長くなる便をとったのですが、結局、市内に出るのはやめてずっとホテルにいました。

なので「滞在」といっても空港とホテルを往復しただけですが、警戒レベル引き上げ直後ということもあり、ちょっとした緊張感を持たされる場面もいくつかありました。

 

チャンギ空港の入国審査

シンガポール政府は1月31日から、湖北省のみでなく、中国人の入国と乗り継ぎを全面的に禁止としているようです。

「シンガポール、中国人の入国禁止」(日経新聞)

それでもチャンギ空港ではそこまで人が少ないという印象は受けませんでした。同記事によると、

「2週間以内に中国を訪れた渡航者の入国・乗り継ぎも2月1日から禁じる」

とあるので、パスポートを細かくチェックされるものと思っていましたが、私のパスポートは更新したばかりだったためか、何も質問されずにすんなりパスしました。

その他には、

  • チャンギ空港職員はほぼ100%マスク着用だったが、なぜか入国審査官の中には非着用の人が数人いた(対して成田空港の職員でマスク着用していない人は見なかった)
  • アジア系に比べて欧米人のマスク着用率はかなり低い
  • 空港内の各所に、体温チェックのためのサーモグラフィーが設置

 

空港←→ホテル、タクシー利用

上記の地図の通り、滞在ホテルがあるカトン地区は空港から近いため往復ともにタクシーを利用(約20ドル、約20分)。

運転手の方は往復ともにマスクを着用していました。

なるべく人が多いところを避けるために地下鉄ではくタクシーを利用しましたが、日本ではタクシー運転手の感染も確認されており、結局どちらがリスキーなのかよく分かりません。。

 

レストランでも健康状態の申告書を記入

タクシーでホテルに到着後、レセプションスタッフ(2名)はマスクを着用していなかったので何となく「日常」に戻った気がしました。

が、それもつかの間、チェックイン手続き中に健康状態に関する申告書の記入がありました。記入項目は、

  • フライトナンバー
  • 咳や発熱症状などの有無
  • 過去30日以内の中国への渡航歴
  • 中国以外の国への渡航歴

など。「中国以外の国への渡航歴」は、JAPANと記入しました。

 

ホテルからの眺め。人通り、交通量少なめ

宿泊ホテル「インディゴ カトン」は、観光客が多いオーチャードやベイエリアなどの中心部から離れたカトン地区にあります。

観光客は少なめですが、カラフルな「プラナカン」という様式の建築物が残り、洒落た飲食店やバーも多く夜もそこそこ賑わうエリアです。ホテルは、そのカトン地区のヘソとなる交差点からすぐのところにあるのですが、部屋から見ていると、どうも車も人通りも少ないように感じます。

「警戒レベル引き上げ後の閑散としたシンガポール市内」みたいなバイアスがもうかかってしまっている可能性があるので、滞在中の朝から昼過ぎまで何回も観測しましたが、やっぱり少ないという印象は変わりませんでした。個人的に好きなホテルで、ホテル滞在も目的の1つだったので12時のチェックアウトまではホテルにいるつもりでした。

プールサイドで寛ぐつもりが、どうしてもコロナウィルス関連ニュースが気になり、ネットの情報を追い続けているうちに「頭でっかち」状態に陥り、昼頃には、市内には出ないほうが無難かな、と思うに至りました。

 

レイトチェックアウト申請、昼食もホテルで

ホテルから出ないことを決めたので、レセプションに行きレイトチェックアウトをお願いしました。

インディゴ カトンのチェックアウト時間は12時。1時間延長は無料にしてくれましたが、そこからは1時間ごとに25ドル(税別)の追加料金。

とりあえず3時間の延長料金を払っておきました(税込みで80ドルちょっと)

それから昼食をとりにホテル併設のレストランへ。朝食もこのレストランでとりましたが、昼は一般利用客がほとんどのようでした。店員はマスク非着用、お客さんも数人しかマスクしていないので、気分的に少しほっとします。タイガービールとチャーシュー丼。屋台ほどではないものの、しばしローカルらしい料理を堪能していると、スタッフがお客さんに何か紙を配っていて自分にも1枚。

チェックイン時にも記入した健康状態に関する申告書。ですが全く同じではなく、少し質問項目が違っています。

  • 過去1ヶ月の入院の有無
  • 過去30日の中国渡航の有無

など。

ホテル併設とはいえ、ローカルの一般利用のほうが多いぐらいのレストランで客全員にこういった申告書を記入させるのはなかなか。

これが、感染症警戒レベルが4日前に1段階引き上がったことをうけての処置なのか、ここのホテルとレストランではもっと前からやっていたのかは分かりません。

 

レストランで在住者に話を聞いた

ホテル併設のレストランで昼食をとっているとき、近くのテーブルに在住者らしい日本人女性のグループがいたので、ちょっと話を聞いてみました。

感染症警戒レベルが4日前に1段階引き上がったばかりのシンガポール市民の様子、状況などについて。

  • 街中では普段より人が少なく、半分ぐらいかも。
  • 一部で食料品などの買い占めが起きたというニュースはあった。
  • とはいえ、おおむね普段通りに生活していて今日も外出してここでランチしている。
  • 一応、繁華街のオーチャードなどに行くのは控え、この日も比較的人が少ないここ(カトン地区)へ来た。

あと、中国に渡航歴がない人の感染が確認されたことはやはり少し気にされているようでした。

新型コロナウイルス、シンガポールでも人から人に感染(日経新聞)

感染者の1人が観光客にも人気のムスタファセンターというモールを入院前に訪れていたという話も出ました。ムスタファセンターで感染したというわけではありません。

私も以前行ったことがあるモールなので気になって調べてみると、日本語で検索しても出てきませんでしたが、シンガポールの英語ニュースチャンネル「CNA」のサイトにこの情報がありました。

Coronavirus outbreak: 3 new cases confirmed in Singapore(Channel News Asia)

この記事の中に感染者ごとの状況が書かれています。

ページ内検索などで「Case 42」の部分を探せば、入院する前にムスタファセンターを訪れていた39歳のバングラディシュ人男性のことが書かれています。Google翻訳でも十分内容を把握できました。

 

タクシーで空港へ向かいラウンジに籠る

シンガポールの乗り継ぎ滞在で22時間あったのですが、結局ホテルから出ませんでした。

17時頃にタクシーで空港へ向かいます。人混みを避けることになるのか分かりませんが、ラウンジに直行しました。

カンタス航空のラウンジで、利用者は9割以上豪州人(か、他の欧米人)。マスク着用者はほとんどいませんでした。

★★

こういう状況下では、心理的なものにいろいろ左右されることを痛感しました。

まわりにマスク着用者がいないだけで何だか安心してしまうし、レストランで健康状態の申告書を書かされたりすると少し心配になります。

なるべく客観的であろうとしましたが、いち観光客が異国の地でそうあるのはなかなか難しかったです。何だかまわりのマスク着用率ばかり気になった滞在でした。

(おわり)

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