名古屋に本社を置く和食レストランチェーン「サガミ」が、イタリアに上陸しました。
2018年11月、ミラノに1店目、2020年7月、2店目がエミリアロマーニャ州・モデナにオープンしました。
自分の知る限り、日本の外食チェーンでイタリアに店舗を持っているのはこのサガミだけ。
(サガミグループのレストラン↓)
過去に遡れば、ミラノにサントリー経営のレストランがあったらしいですが、この10年、イタリアで日系の外食チェーンは見たことも聞いたこともありません。
日本料理店のほとんどが中国人経営
イタリアにある日本料理店は、中国人経営が98%(←体感。小さい町では100%)、その大半が食べ放題方式をとっています。イタリアで日本料理店といえば10年以上前からこれ。
食べ放題かつリーズナブルなので若い人から人気が出はじめ、今では完全に定着しました。
イタリア在住の中国人(そのほとんどが温州出身)にとっても、このパッケージで出店すればまず外れないとう感じらしく、町を歩いていると「あ、またここにもできたんだ」というぐらい乱立しています。
人気メニューは「URAMAKI」と呼ばれる内側にのりを巻いた寿司。ねたも、アボカドやマヨネーズを使ったりと「あんなの寿司ではない」というむきもあるかもしれません。
でも、この中国人たちのおかげで、SUSHIというものがイタリア中に広まり定着するにまで至ったのは、この10年過程を見ていたので、事実だと言えます。
寿司、ラーメンなしで勝負
中国人が土壌をならしてくれたかたちで、SUSHIはイタリア人の「老」を除く「若男女」にはすっかり浸透しました。
そして、これもここ10年ほど、日本旅行に行くイタリア人がかなり増え、その人たちのほとんどがラーメンを気に入って帰ってきます。そんなこともあってか、ぽつぽつラーメン専門店ができ始めたのがこの3、4年。
つまり、今イタリアでSUSHIとRAMENをやればまず当たる、ぐらいの感じがあります。それも本場日本から来たレストランとなれば、かなりのアピールになります。
で、サガミ。
会社のロゴにも「和食麺処」とあり、HPにも、
和食麺処サガミは和食の原点とも言える蕎麦、みそ煮込、和食を主体とした店舗を東海地区に展開しています
と、蕎麦とうどんが主力でラーメンは謳っていません。系列チェーンを見ても寿司は扱っていないようです。
つまり、「鉄板ネタ」のSUSHIとRAMEN抜きで、イタリアに上陸したわけです。
これ、すごいことだと思います。全力で応援したい気持ちになりました。
というのも、日本料理=寿司&ラーメンだけと思われるのもちょっとなぁ‥と常々感じていたからです。
味噌カツに櫃まぶし!
イタリアでこれをやれば間違いないと言えるSUSHI&RAMENなしで勝負するのもすごいのですが、メニューを見ると本拠地名古屋の郷土料理を堂々と提供しているのに、驚きました。
きしめん、
味噌カツ、
きわめつけは櫃まぶし!
恐れ入りました。海外だろうが何だろうが得意分野で真正面から勝負するというのがスゴイ。
イタリアを起点に、隣国のドイツやフランスなどにも進出し、欧州を席巻するような日本食レストランになってほしいと願っています。
がんばれ、SAGAMI!!
(おわり)