「地元客で賑わう」「知る人ぞ知る」「隠れ家的な」店もいいですが、どのガイドブックにも載っている王道、定番の店が結局おいしいと思うことがよくあります(台湾に行ったら、結局ティンタイフォン、のように)。
観光客で溢れかえり「観光客向けの店」扱いされても、ちゃんと美味しくて、侮れない店が結構あると感じます。
フィレンツェの「Latini」という店は、ガイドブックにはもちろん、JTBやHISのサイトにもきっちり紹介されている定番店。でも、ツアー客が来ることは、後述する「ルーズさ」のためなさそうに思います。
- 店名:IL LATINI
- 住所:Via dei Palchetti, 6R, 50123 Firenze(Googleマップで)
↑↑フィレンツェ「Latini」の入り口。雰囲気あります。
予約は必要か、何時頃から並べばいいか
トリップアドバイサーの口コミを見てみると、予約したほうがいい、しても結局並んだ、なしでも21時頃だったのですぐ入れた、等々。
急遽行ってみることにしたので、予約はせず、19時頃に店の前まで来てみると、既に5、6人待っています。開店は19時30分。
その場で30分待つのは嫌なので、近くのバールで軽く飲みながら時間を潰し、開店10分前、19時20分頃に戻るとこれぐらいの列↓↓
時々、予約をしてきたと思われるグループが、入り口近くで店員に「予約したんだけど、並ぶの?」と聞いているようでした。何と言われたのかわかりませんが、列に並び直すグループ、何となく入り口の近くに残るグループなど、それぞれ。
日本だったら「予約した人はこちらの列、予約なしの方はこちらの列に」みたいにキチッとしてくれるのでしょうが、このルーズさ、放ったらかし具合はまぁイタリアです。
ただ意外にも、ちゃんと19時30分ちょうどに開店になったので、待ち時間は10分程度。入り口付近に店員がおり、入ってくる客に何かを聞いて、席を振り分けてます。口コミ情報にあった通り、予約の有無の確認でした。
その口コミには「入店時に予約の有無を聞かれるが、名前を照合しているわけではない」とあったので、実際は予約をしていなかったのですが「予約しました」とかましてみると、奥の方の席に通されました。
ただ、大した違いはなくて、予約なしの人は入り口付近の席、予約ありの人は店の奥の席、というだけのようです。
外国人観光客とフィレンツェ外からのイタリア人
客層は、外国人観光客が7割、フィレンツェ観光に来たイタリア人3割といったところ。でも、雰囲気はあります。観光客向けに繕ったものではない、年輪を重ねたトラットリア感。
ステーキ以外もおいしい
テーブルに着くと、各グループに1本ワインボトルがデフォルトで置いてあります。たしか、ボトル半分ぐらい飲みました。メニューにはボトル10ユーロとあって、レシートには「ボトル x 0,5」と打たれていて5ユーロ。
よくわかりませんが、飲んだ量を一応チェックしているのでしょうか。。いずれにしても、ボトルを空けても10ユーロなので、良心的な値段です。
店の紹介記事には必ず「フィオレンティーナステーキの名店」とあるのですが、この日は、メーン料理は何もとりませんでした。
前菜はサラミ。曲がりなりにも「生ハム類の王国」エミリア州で長く生活していますので、生ハム・サラミ類についてはそれなりに質の判別がつくと自負していますが、なかなかのサラミです(これで↓↓2人前、10ユーロ)
1皿目は、「Ribollita」(7ユーロ)と「本日のパスタ:ウサギ肉のニョッキ」(7ユーロ)。「Ribollita」は野菜のごった煮で、トスカーナの家庭料理。ウサギ肉のニョッキは後で調べたらアブルッツォ州のパスタのようです。
↓Ribollita↓
↓ウサギ肉のニョッキ↓
いつも思うのですが、前菜と1皿目こそ美味しくて(特に前菜)、メーンである2皿目は1品を2人でシェアぐらいが丁度いいです。場合によってはパスしてもいいぐらい。
意外な収穫はデザート。メニューに「自家製ドルチェ」とあるので1つだけ注文。
名前も知らず、トスカーナのドルチェなのかどうかも分からないのですが、美味しかった。自分がよく行く地元のトラットリアのデザートは、良くも悪くも自家製っぽい素朴なドルチェが多いのですが、ここのは何となくフランスの菓子屋で売っていそうなシュークリーム。
コストパフォーマンス
2人で41ユーロ。ステーキはとりませんでしたが、メニューによると1kg/50ユーロ。ステーキの値段をどう見るかにもよりますが、これだけ外国人観光客にも知れ渡っていて、行列ができる店でありながら、1皿目のパスタが1番高いもので9ユーロというのは、間違いなく良心的な価格です。
やろうと思えば、パスタを10ユーロから、にもできるだろうし、それでも観光客は絶えないと思われますが、そうなっていないのだから立派だと思います。
メニュー
最後にメニューの写真を参考までに。
(おわり)