今年、香港&シンガポール両都市で行ったレトロカフェがたまたまちょっと似ていたので、まとめて書いてみようと思います。
香港・上環地区「海安咖啡室」
まったくガイドブックなしで香港へ行くのもちょっと心許ないと思って購めた「FIGARO」2018年2月号Kindle版。特集「24時間、香港中毒」に、香港喫茶店(茶餐廳)の定番メニュー「パイナップルパン」とともに紹介されていたのがこのレトロカフェ。
- 店名:海安咖啡室
- 場所:MTR港島線「上環駅」から300m
- 住所:G/F, 17, Connaught Road(Googleマップで)
- 「OpenRice」(香港の食べログ的サイト)のページはこちら。営業時間等の確認に。
旅行先では、朝食後によくカフェへ行って、その日の作戦を練ったり、ローカルに同化した気分を味わったりしながら長居、ということをやるのですが、香港の場合、朝飲茶をする「蓮香居」がカフェも兼ねていて、お茶をすすりながら1時間以上いたりします。
そんなこともあって、カフェへ行く機会があまりなかったのですが、この日は趣向を変え、この「海安咖啡室」へ。
connaught roadという大通りを歩いていると見えてきます。よくぞこの雰囲気のまま残っていてくれたなぁと思います。レトロ「調」とか「感」ではなく、本物の年輪、年季。店に入ってまず思ったのは、観光客がけっこう多いな、ということ。平日の10時ちょっと前でしたが、席は9割がた埋まっていて、その8割は外国人観光客。
そのほとんどがアジア系で若いグループやカップル。ガイドブック等で紹介されているものと思われます。日本人はいなくて、欧米人はガイドブックを片手に入ってきた女性1人だけ。
日本の喫茶店とファミレスを合わせたような、と説明されることが多い香港独自のカフェ形態「茶餐廳」。SPAMサンドイッチや、出前一丁ラーメンなど、ジャンキーで豊富なメニューが特徴と聞きます。研究したら楽しそうです。
とりあえず、これも「茶餐廳」の定番メニューの1つ「パイナップルパン(菠蘿包)」と珈琲を注文(上記メニュー内の矢印)。表面の感じが似ているためそう呼ばれるようになったらしいですが、パイナップルは入っていなくて、要はバターが挟み込まれたメロンパン。
店構え同様に、味のある店内。ここまで混んでいるとなかなか写真も撮りにくいです。
そもそも自分も雑誌の記事を見て行った、常連客に迷惑をかけているかもしれない外国人観光客なわけで矛盾するのですが、ここがガイドブック等に紹介されていない、ローカル客しか来ない無名な茶餐廳だったらいいだろうな、とつい思ってしまいました。
そうであれば、もう少し長居もできたかもしれません。年期を体感することはできましたが、あまりのんびりはできませんでした。
もう少し空いていたらリピートしてみたいですが、やはり、外国人観光客を受け入れながらも尚揺るがないローカル感とディープ感をキープする「蓮香居」での朝飲茶のほうに足が向いてしまいそうです。
シンガポール・カトン地区「珍美真」
ガイドブックでは、カラフルでかわいいプラカナン建築が残る街並み、といった紹介がされる「カトン地区」。グルメエリアでもあるらしく、以下、有名店も含め個人的に「to go」リストに入れている店。
- 海老ヌードル「Beach Road Prawn Mee Eating House」(Google mapで)
- ホッケンミー「Geylang Lor 29 Hokkien Mee」(Google mapで)
- ローストポーク「Keng Bee Restarurant」←訪店済み(Googleマップで)
そして、レトロカフェ「珍美真」も、このカトン地区にあります。
- 店名:珍美真(Chin Mee Chin Confectionary)
- 住所:(Googleマップで)
- 場所:近くにMRTの駅なし。チャンギ空港からは割と近くタクシーで15ドル前後(約1200円)
- 営業時間:店のFacebookページで確認できます
日曜日だったためか、開店時間8時30分の5分前に着いたら、店の前で待っている人が10人近くいました。おそらくみんなシンガポール人で、家族が2組ほど。
ちゃんと時間通りに開店。皆まずは席確保へと早足。同時にグループの別メンバーが注文をするために奥のレジへ並びます。
勝手が分からないまま出遅れましたが、列に並んで注文を済ませ、何とか席も確保。シンガポールを代表する朝食メニューの1つ「カヤトースト」が、ここでは「トースト」ではなくて「バンズ」。古い店ではありますが、上の写真のテーブルなど、一見して磨き上げられ清潔に保たれていることがわかります。
店内を見渡しても、テーブルや棚、奥の厨房などは年期が入っているものの、ごちゃごちゃ感はなく整然としています。
ココナッツ&卵で作った「カヤ」というジャムにバター。一般的には↓のようにトーストに挟んで。
Googleのクチコミを見ると「シンガポールが経済発展と共に失いつつある伝統的なコーヒーショップ。ここ『珍美真』はそのオールドスクール」といったような評価が。
シンガポール人の口コミの中で、「オールドスクール」という言葉を使っている人が他にも何人かいました。古き良き、みたいなニュアンスかと思います。
平日もこの日(日曜の朝)と同じぐらい混んでいるのか分かりませんが、ここまで混んでいると長居は難しいです。グループで行けばまだいいのでしょうが、1人の場合、レジに列ができているとどうしてもプレッシャーを感じてしまいます。
交通の便が悪いせいか、観光客は少ないです。
(おわり)