いい店、あこぎな店、可も不可もない店

旅行者相手のあこぎな店

数年前、小さい子供を2人連れてイタリア観光にやってきた友人。ローマから入り、ベビーカーを携え電車移動でボローニャへ。昼過ぎでお腹を空かせた子供たちを連れ歩きながら店探しというわけにもいかず、駅前の、もろにツーリスト向けのレストランで食事をとった。

ターミナル駅ボローニャで、便宜上食事を早く済ませなければならない旅行者のおかげだけで成り立っているような店。一度だけやむを得ない事情で入りピザを食べたが、やっつけ感丸出の作りし、素材のクオリティもいかにも低くて、値段も割高。

旅行者は、まぁこんなものかな、と思ってしまうぐらいの微妙な割高感、旅行者が入りやすいよう外ヅラだけを整えリニューアルされた店内。こういった、旅行者の足元だけを見た「あこぎ」な店がたくさんある。

当の本人たちは、意外と満足気で「イタリアでピザを食べられただけでも嬉しい」。が、自分がいい店を教えてあげられていたらもっと満足してもらえたはずで、当人たちが良かったのだからそれでいい、とは思えませんでした。

↓↓旅行者相手のあこぎな店の例。手前と奥、2軒とも。外見はぴかぴかでいかにも入りやすい。ボローニャの Via dei Falegnami という通り。
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旅行者が多い=あこぎな店、ではない

ローマ、フィレンツェ、ヴェネツィアで、旅行者が全くいないレストランは、郊外にでも行かないとない。ただ、旅行者が多いからといって、必ずしも旅行者相手の「あこぎ」な店というわけではなく、いい店は地元客も旅行者も多い。

では、旅行者はどうやって、そのレストランを知ったのか。おそらく、ガイドブックかトリップアドバイザー。自分は以前、ガイドブックに載っていない穴場的な店の方がいい、とスカしていたが、ボローニャ人に連れて行ってもらった、個人的No.1のトルテッリーニを出す店「Biagi」が、地球の歩き方に掲載されていたのを知って、考えを改めました。

地球の歩き方には、他にも、フィレンツェのトラットリア「4 Leoni」、ベネツィアのトラットリア「Ca d’oro alla vedova」も掲載。いずれも、知る人ぞ知る、とか、隠れ家、というような店ではなく、有名店であり旅行者も多いが、地元客もちゃんと満足させるものを出している。

優良店・あごき店・可も不可もない店

「あこぎ店」が多い駅近、有名観光スポット、広場、メーン通りなどを避けて、小道や奥まった路地などを探索しても、必ずしも優良店があるとは限らないのが難しい。「あこぎ店」の可能性は低くなるが、経験上、ほとんどが「可も不可もない店」。

上述の通り、優良店はガイドブックにも掲載されているが、ガイドブックに載っている店がすべて本当にいい店、ということでもない。ガイドブック掲載の店へ行けば、「あこぎ店」を避けることはできるが「可も不可もない店」である場合も多い。

ローマ、フィレンツェ、ベネツィアは、所用で行く機会も多く、日本から友人が来た時も一緒に観光したりするので、それぞれの街で「ここに行けば間違いない」という店を幾つか押さえておきたいといつも思っているが、トライ&エラーを繰り返し、長い年月を経て、ようやく各都市に2、3ほどのストックができた。

各都市の「いい店」

こちらに住み始めてからまだ2、3年の頃に自分の中で「優良店」認定した店でも、さらに数年後に行くと、自分の目も厳しくなっているためか「可もなく不可もない店」に感じてしまうこともあり、まだまだブラッシュアップ中のリスト。数ももう少し増やしていきたい。

ここでは、店名のみ。各店の寸評は機会があればおいおい別記事で。

  • ベネツィア 狭い島内のどこを歩いても旅行者で溢れていて、その気になればいくらでも旅行者から絞りとれそうだが、意外と渋くて質実剛健なトラットリアやバールが多く、個人的にもまだまだ開拓の余地がかなりある印象。 ①トラットリア「Ca d’oro alla vedova」、②ワインバー「Cantine del Vino già Schiavi」、③トラットリア「Trattoria Cea」
  • フィレンツェ 日本の関西・関東の違い、習慣やカルチャーのギャップは、イタリアでは南北差。北部は通常ボローニャ以北を指し、フィレンツェは中部。知名度やブランド力(?)ではフィレンツェは、ボローニャや北イタリアの小都市より遥かに上だが、物価は同等以下という、日本人にはピンとこない現象がある。観光地から外れた店は結構リーズナブルな値段の印象。①トラットリア「4 Leoni」、②トラットリア「Trattoria Sabatino」、③ モツ煮サンドイッチの屋台「Pollini」
  • ローマ ベネツィア、フィレンツェ、ローマは観光客の多さは似たり寄ったりだが、ローマが最も「あこぎ店」が多い印象。テヴェレ川の向こう側、トラステヴェレ地区という庶民的エリアには一見良さげな店が集まっているが、決め手に欠け、まだ「可も不可もない店」にしか当たれていない。①トラットリア「Felice a Testaccio」、②ピザ「Pizzeria ai Marmi」、③ティラミス「Bar Pompi」