【モデナ】郷土料理に正面から向き合い地元客に支持され続けるミシュラン常連店

食べる側の感性も必要で自分には「難しい」店も。。

食べることは好きですが、味の違いとかはあまり分からず、決してグルメではないので、食べログ的な寸評を書くのは苦手です。

それでも、これまでに、イタリアにあるミシュラン星付きの店で食事する機会が何回かありました。

もちろん素晴らしい経験でしたが、自分のようなグルメではない素人には、何というかちょっと「難しい」ところもあります。

↑「フランチェスカーナ」の店内(2010年)

例えば、ミシュラン3つ星、2016年「World’s 50 Best Restaurants」で世界一に選ばれた「フランチェスカーナ」(モデナ)で、モルタデッラハムのムースという一品を食べました。

モルタデッラハムという比較的廉価なハムに繊細な味を持たせ、一つの作品のように仕上げていて、イタリア人の感性が昇華されたような一皿です。

ただ、それだけのものを十全に理解して味わう、こちら側の感性が不足しているので、ちょっと「難しいな」と感じてしまいます。冒涜するような言い方ですが、自分などは、高品質なモルタデッラハムでも十分に満足できてしまいます。。

 

郷土・家庭料理にこそイタリア料理の魅力

さらに、生意気を言うと、イタリア料理の真骨頂は郷土料理、家庭料理にあると思います。ミシュランの評価などはイタリアの食文化にあまり馴染まないような気もします。

ミシュランうんぬんは別にして、イタリアのレストランで、創作系の店も個人的にあまり好みじゃありません。やはり、それぞれの地域の豊かな郷土料理をまっすぐ出す正統派な店に、イタリア料理の魅力が詰まっていると思います。

 

郷土料理に正面から向き合うミシュラン店

前置きが長くなりましたが、本題は、モデナという町にある「L’erba del Re」という店。同じくモデナに前述の「フランチェスカーナ」もありますが、自分としては「L’erba del Re」のほうが好きです。

このカテゴリーの店の中で「また来たいな」と思って、実際リピートしたことがあるのはこの店だけです。

この店は、以下のような点が魅力だと思います。

  • エミリア地方の郷土料理を一通り楽しめる。
  • ワインをボトル注文でなく、一皿ごとに料理に合うものをお任せで出してくれる(よく知らないのですが、このシステム、最近では主流なのかもしれません)
  • 少なくとも6、7年ミシュラン1つ星を獲得し続けながら、客層の大半が地元の人。

いくつかあるコースの中に、トラディショナルコースがあります。コースの名前が、店のサイトの表記と違ったり、時々変わったりするっぽいのですが、2017年時点では「Un salto nel passato」というコース名でメニューに載っていました。

エミリア地方の定番郷土料理である「タリアテッレ アル ラグ」、「トルテッリーニ イン ブロード」、「パルミジャーノとバルサミコ酢のリゾット」、「ボローニャ風カツレツ」を全て網羅。

こういう、家庭でも日常的に食べられていて、トラットリアでも出すような料理を、変化球なしで真正面から扱っているのが本当に素晴らしいです。そんな定番料理を、自分などでも違いがわかるクオリティで出してくれます。

↓Piccolo assaggio di culatello Dop e prosciuto crudo Dop di Modena  パルマの特定地域のみで生産され、尻部のみを使用した生ハムの最高峰「クラテッロ」。

生ハムでも赤ワインではありません。これも給仕の人が選んでくれたもの。この「ワインお任せシステム」は、いろいろな種類のワインが楽しめてとてもいいです。

↓Baccalà marinato e fritto in tempura, cipolline in agrodolce  鱈の天ぷらと玉ねぎの甘酢漬け。この一皿だけは、特に地元郷土料理というわけではないと思います。

Tortellini in brodo di cappone

↓Tagliatelle al ragout modenese (5 tipologie di carne)  5つ部位の肉を使用して作ったミートソース。

↓Risotto con Parmigiano Reggiano, aceto balsamico tradizionale di Modena    パルミジャーノチーズのリゾット、モデナの年代物のバルサミコ酢

Cotoletta di manzo alla bolognese   意外と食べる機会が少ないボローニャ風カツレツ。今まで食べたカツレツの中で一番おいしかった。

Zuppa inglese oppure omaggio alla torta barozzi, zabaione al marsala     デザートだけ変化球というのが心憎いです。ズッパ・イングレーゼという、リキュールをしみ込ませたスポンジケーキ。

ですが、モデナ県の Vignolaという町の名産チョコレートケーキ「トルタ・バロッツィ」へのオマージュというメニュー書きになっています。

客層の大半は地元の人

初めて、この店に行ったのは7、8年前でしたが、当時からミシュランの星が付いていたと思います。

これを書くために、何年連続で獲得しているのかネットで調べようと思ったのですが、そういった表記は見当たりませんでした。そういうのを売り文句にしていない、ということです。

なので、イタリア語で「2015」「ミシュラン」「全レストラン」とワードを入れて、1年ずつ検索していきました。で、辿ることができたのは、2012年から2016年まで。つまり、少なとも5年連続の1つ星獲得の常連店です。

↑パンはもちろん自家製

それほどの名店ですが、客層の大半が地元の人(自分が行った日はそうでした)というのが、またいいところです。

他の町や、外国からの客も多くなり、予約が取れなくなっていき、シェフはスター化。。というような方向にいっていなくて、いつも地元を向いて、地に足がついているようにみえます。

食事が終わる頃、シェフ(ルーカ・マルキーリさん)がテーブルを1つ1つまわって挨拶しに来てくれたのですが、物腰が柔らかく、とても感じのいい人で、写真撮影も快く応じてくれました。

これで、一層この店のファンになりました。

(おわり)

モデナという町については、他にもこんなことを書きました。