6月下旬、仕事の都合で、イタリア北部の小都市・モデナに宿泊しなくてはなりませんでした。
5月4日の封鎖解除から1か月半。
ニュースの見出し的には「日常を取り戻しつつあるイタリア」なのかもしれませんが、個人的にはいろいろなことがまだ「恐る恐る」で、外食にも行けていません。
そんな中、安全圏・自宅を出てホテルに宿泊するのは気が進まず、憂鬱ですらありましたが、1か月前から決まっていたことなのでいろいろ調べて検討した結果、ここに。
- ホテル名:B&B Hotel Modena
- 場所:中心街のドゥオモから1,8km(Google mapで)
- 宿泊時期:2020年6月下旬
- 料金:1泊57ユーロ(朝食なし)
- 部屋タイプ:Standard Double Room
ホテル名に「B&B」が入っていますが、ベッド&ブレックファーストは関係なし。
本部はフランス、ヨーロッパを中心に約400軒を持つホテルチェーン。基本3つ星のバジェットホテル。
決めた理由は、グローバルチェーンのほうがコロナ安全対策にしっかり資金を使っていそう、と思ったからです。
そもそも営業再開しているホテルが少ない
今回のホテル選びは、コロナの安全対策を最重視。
それがしっかりしているなら(観光でもないのに)5つ星だろうが構わないと思っていました。
ところが、イタリア国内の州をまたいでの移動解禁(6月3日)、EU域内フライトの本格再開(6月15日)から間もないので、営業再開しているホテル自体まだ半分ぐらい。
何回か利用して好印象のイタリア資本のチェーン、UNA Hotel や Starhotels があれば決めていたのですがモデナ市内にはありません。
予約サイトのbooking.comで、限られた選択肢から1つ1つチェックしていると、数軒のホテルにだけ、この↑↑スクショの赤枠のように、
「新型コロナウィルスの発生を受け、この宿泊施設では安全および衛生に関する追加の対策が行われています」
と書かれていることに気がつきました。
で、これが書かれているホテルの公式サイトを見に行くと、たしかに「コロナ安全対策への取り組み」みたいなことがちゃんと書かれています。
最終的に2つのホテルに絞られました。
- Hotel Cervetta 5(bookin.comの口コミ評価9,0)
- B&B Hotel Modena(bookin.comの口コミ評価8,4)
口コミ評価9点台のプチホテル or チェーンの「ビジネスホテル」
平時であれば間違いなく、口コミ評価9,0のほう(Hotel Cervetta 5)を選んでいます。こちらは、洒落たプチホテルといった趣で、おそらく個人経営。
しかし、もう一方のB&B Hotel Modenaを選んだのはこれ↓を見て。
同ホテルチェーンの公式サイトの中に、専門のコンサルティング会社の協力を得てコロナ安全対策に取り組みその安全認定をもらっている、と書かれています。
プチホテルのほう(Hotel Cervetta 5)も公式サイトに安全対策への取り組みが書かれているのですが、やっぱりこういうときはチェーンのほうがその資本力で、対策によりお金をかけることができるのでは、と考えました。
第三者のコンサルティング会社と協力してそれに取り組んでいるという点もポイントアップ。
実は、このチェーン、ミラノで数年前に利用したことがあり、こう言ってはなんですが、可も不可もないビジネスホテルという印象。
ホテルとしての快適性やグレードは、もう一方のプチホテルのほうがいいのは分かっているのですが、今回はコロナ安全対策を最重視してこちらに決めました。
安全・衛生対策、その実際は‥【チェックイン】
飲食店や小売店では、マスク着用や店舗面積に応じての人数制限など、新ルールができました。
ホテルにも新ルールができたようで、チェックイン作業の簡素化、朝食ブッフェの廃止など。
まず入口の自動チェックイン機。
最初の画面で「予約番号を入力してください」。でも、予約サイトの予約番号では照合できません。名前で照合できるのか分からず困っていると、レセプションから声がかかり「こちらへどうぞ」。
結局、対人のチェックイン。チェックイン作業は、特に簡略化されているようには感じませんでした。
もう1つの候補だったプチホテルのほうは「チェックイン省略化のために事前にメールで身分証を送付することも可能」とHPに書かれていました。
なので、こちらのホテルにもチェックイン1時間前に電話して、身分証をメールで送ったほうがいいか聞いてみましたが、「その必要はない」。
で、行ってみると自動チェックイン機は使えないし、チェックイン作業も通常どおり。。このあたりは改善の余地がありそう。
安全対策8つのルール
入り口付近に書かれていた安全対策8つのルール。マスクの着用や社会的距離など当たり前のことのほかに、エレベーターは1人で利用、とか、ロビーのソファ使用禁止なども。
エレベーターは使わずに階段を上りました。
カードキーがない
このホテルにはカードキーがなくて、チェックイン時に5桁の暗証番号が渡されます。
その暗証番号を、部屋の入口横にあるダイヤルで入力するとドアが開きます。これが、カードキーを使い回すことによるウィルス拡散を防ぐための新しいシステムなのか、コロナ前からこうだったのかは分かりません。
部屋は、ごく標準的なつくり。事前にバルコニー付きの部屋をリクエスト。宿泊者が少ないためか、広いバルコニー付きの角部屋へ。
ドアも大きく開き、換気も良好。
重要なのは衛生面。タオルやリネン類は清潔。部屋もきれい。
でも、通常の清掃に加えて、消毒作業的なことも追加で行われているかまでは分かりません。
隔離者向け施設でない限りそこまではやらないのかもしれませんが、「潔癖な」日本なら、消毒作業まで取り入れているホテルもありそう。バスルームもまぁ清潔。ちょっと老朽化している感じも。
やっぱり少し神経を使う
自分の性格上、ということもありますが、滞在中はやっぱり少し神経質になりました。
部屋にいても、むやみやたらに何かに触らないようにしていました。ドアノブなどに触ったら、すぐに手を洗ったり。
朝食は、朝食ルームではなく、BOXに入ったものを部屋で食べるというシステム(これも安全対策の1つ)だったので、パスしました。
★
そんなわけで「コロナ後」のホテルがどうなっていくのかを少し体感。
やはり資金面で余力があるグローバルチェーンのほうが安全対策にもお金がまわるのかな、という気がしました。
(おわり)