3月10日に発令されたイタリア全土移動制限(≒外出制限)から約3週間。
個人的に2月下旬から警戒を強めていたので、最後に生身の人間と会話をした(濃厚接触した)のは3月4日で、それ以来、skype・zoom以外では誰とも話していません。
この3週間で外出したのは、スーパーへの買い出しに行った2回。ゴミ出しもその時だけ。
でも、外出できない不自由や退屈さを感じる余裕はあまりなく、毎日上がってくる感染者数の集計や自分が住んでいるエリアでの状況を見て、緊張感のほうが強い毎日。
最初の感染爆発が起きた2月21日から自分の中で緊張がどんどん高まっていき、3月10日の全土移動制限が発表されたときは「これでもう外に出なくてもいい=危険が減る」とむしろ安堵しました。
できることならスーパーへも行きたくない
イタリアの感染拡大の中心はロンバルディア州(州都ミラノ)ですが、自分が暮らしているエミリアロマーニャ州はその隣で、3月9日には外務省から渡航中止勧告が出ました。
3月中は、同州の中の自分の生活圏である人口約20万人の自治体だけで毎日50〜100人の感染者が出るような状況。
そんな場所では「退屈でストレスが溜まる外出制限生活」なんかではなく、心配性な人間にとっては買い物に行くことすらリスキーに感じ、そちらのほうがむしろストレス。
スーパーの宅配サービスは、とっくにキャパをオーバーしており現在サービス利用不可。
これは高齢者などへの宅配を優先しているためと思われるので仕方ないし、そうであってほしいです。
マスク、ゴム手袋、マイ買い物カゴ持参
隣人なんかは毎日鼻歌を歌うぐらい気楽に犬の散歩に出かけていきますが、心配性な人間だとそうはいきません。
たかだかスーパーへの買い出しですが完全装備し、半ば意を決するようにして外出します。
マスク、ゴム手袋、マイ「買い物カゴ」、消毒ジェル。
(参照:corriere.it)
マスクについては、そろそろ、アジアvs欧米諸国の「マスク論争」に終止符を打ちたいところです。欧米諸国ではマスクの習慣がなく効果もないから推奨しない、というやつ。
「少なくともマスクしないよりマシ」が結論でいいのでは、と思います。
4月5日付けのコッリエレデッラセーラ紙の1面(↑上の画像)は「ロンバルディア州、マスク着用を義務化」。
3月上旬ぐらいまでは、町を歩いていてマスク着用者を見つけるほうが難しかったですが、3月下旬にスーパーへ行ったときは、道でもスーパーの店内でも8割の人がマスクをしていました。
こちらでよく見るのは使い捨てのゴム手袋。スーパーの店員や、買い物している人にも着用している人が結構います。自分も採用しました。スーパーから出たら外して捨てます。
そして、マイ「買い物かご」兼マイバッグ。スーパーの買い物カゴに触りたくないので、かなり大きめの袋を2つほど持参して買い物カゴ代わりに。普段なら持参した袋に品物を入れたりすれば万引きと誤解されかねませんが、こんな状況下ではそんなことで咎められたりしません。
こちらでもアルコール消毒液は全く手に入りませんが、3月上旬に薬局の前に「アルコールジェル有り」と張り紙があって入手しました。手を消毒するもので、これで何かを拭いたりしても意味がないと言われました。
コム手袋をして買い物をしているので必要ありませんが、念のために持参するあたりがやはり心配性な所以。
どのスーパーへ行くかで悩む
この3週間で2回行った買い出しの1回目は、家から一番近い小さめのスーパー。
レジのおばちゃんが陽気・話好きで、明るいのは有難いのですが、普段と同じようにマスクなしでお客さんに話しかけまくり、さらに数回咳までしていたので、さすがに嫌になりました。
2回目の買い出しはこのスーパーを除外し、選択肢は2つに。
1つは歩いて20分ぐらいの駐車場付きの大型スーパー。もう1つは歩いて10分の中型スーパー。
大型店のほうは無人レジを4〜5台導入しており、これを利用すれば全く人に近づくことなく買い物が済ませられるので魅力的なのですが、(参照:corriere.it)
駐車場付きの大型店のため、こんな列(↑)ができている可能性大。。
もう1つの中型店のほうは市内中心部にあり駐車場もないため人は少ないだろうと考えられます。ただ、無人レジがないのが惜しい。
たかがスーパーへの買い出しにそんなことまで頭を悩ませ、結局、市内中心部の中型店へ。
一応読みが当たり、人は少なく、店の前に列もなし。レジの人もちゃんとマスク&手袋をしていました。
ただ店内で、携帯電話で話しながら買い物をしている人が3人ほどいて、心配性な人間的には気になりました。
人との距離1mルールや、必ず単独で行動といったルールまであるのだから、公共の場所で飛沫を飛ばしかねないお喋り(しかも携帯で)ぐらい我慢すればいいのに、と思います。
食料品のほうは不気味なほど充実しており、これなら買い占めにならないだろうと多めに買い込み、帰り道は重くて非常にしんどかった。
「パラノイア(心配性)の人だけが生きのびられる」?
まったく、スーパーへの買い出し一つで神経を使うような状況で、心配性な性格だと困ったもんだなと思いますが、クーリエという雑誌に、
なんていう記事もありました。
「過剰と思えるほどの対策のおかげで人は安心でき」、「長期的に見れば、パラノイア(極度の心配性)の人だけが生きのびられる」そうです。
まぁそうであってほしいものです。
(おわり)