8月バカンスの「シャッフル」で第2波。イタリア全土マスク着用義務化

10月8日からイタリア全土で屋外でのマスク着用が義務化されました(BBCニュース

ナポリのあるカンパニア州、シチリア島では、9月末から先んじて実施されていました。

10月9日の感染者数
イタリア全土:5372人(死亡者22人)

あーあという感じ。一時は、よくここまで持ち直したと言っていいぐらい感染を抑え込めていた時期もありました。

7月ごろです。

7月9日の感染者数
イタリア全土:193人(死亡者15人)

7月9日付けコリエレデッラセーラ紙掲載のデータ↓ 南イタリアはどの州も感染者が0〜3人。圧倒的に北部に集中していたことがわかります。

5月4日にロックダウン解除になり、段階的に制限を緩和させていった5月、6月。

6月5日にようやく州をまたいでの移動が可能(BBCニュース)となったぐらいで、慎重に段階を踏んできました。

厳しいロックダウンと慎重な段階的緩和の効果もあって、おそらく上記の7月のデータにつながったのだと思います。

 

こんなときでもやっぱり皆バカンスで海へ

3・4月の外出制限中はだれもが、さすがに今年の夏はビーチでのバカンスはお預けだろうと思ったはずです。

それが6月あたりから、大丈夫そうかも、という空気が出てきたように感じます。

そして7月のデータが良かったことも安心感を与えてくれ、結局みんなバカンスをとって海へ行きました。

イタリア国内にとどまった、休みの日数は人によっては少し減った、など例年通りとまではいきませんが、自分のまわりをみても、

  • 海へ行った
  • バカンスをとって旅行した

という人の割合に関しては、ほぼ例年通り。

つまり「今年の夏は遠出せずにおとなしく家にいよう」という人はほとんどいませんでした。

少数ですが、どこにも行かなかったという人もいましたが、これは仕事の都合上などの理由。自粛とか心配だからという理由ではありませんでした。

 

2か月営業できなかったのにちゃんと夏休みをとる

イタリア人とっての夏バカンスの重要性は分かっていたつもりでしたが、その理解を越えるようなことも目にしました。

ロックダウン中、ほとんどの飲食店や小売店は営業禁止だったので、この業界の人たちは2か月もの期間をほとんど仕事ができず家にいたということになります。

自分は、たまたまテレワークに切り替え可能でしたが、もし自分もそんな状況におかれていたらと考えるとぞっとします。収入なしの2か月自宅待機。。

特にこちらの飲食店はチェーンではなく個人経営が多いので大変です。

2か月間ほとんど収入が得られかい状況が続いたら、私なんかの感覚では、営業再開後は休日返上で店を開けるだろうし、気分的にも夏休みどころじゃないという風になると思います。

ところが私の自宅近辺を見る限りでは、夏休みをとらずに営業していた個人店舗は、数店しかありませんでした。

いつもより期間を減らして夏休みをとっていた店舗もありましたが、なんだかんだ休めるということは余力があるということのように見えました。ニュースなどで見る「飲食店の危機的な状況」は本当なのかなとも思いました。

 

8月のバカンスで「シャッフル」→ 第2波

結局のところ、この誰も経験したことがない異常な状況下でさえも自分たちの習慣を変えることができなかった、バカンスを我慢することができなかったことが、今の第2波を招く一因となってしまったのだと感じます。

2020年10月10日 Corriere della Seraより

イタリア全土の感染者数
7月中旬:129人
8月下旬:1071人
9月中旬:1587人
10月3日:2844人
10月9日:5372人

7月までは感染の中心は北部でしたが、8月のバカンスでシャッフルされた格好となり、今ではイタリア全土まんべんなく感染者が出ています。

これは10月9日付けコリエレデッラセーラ紙掲載のデータですが、冒頭の7月9日のデータと比べると、

カンパニア州(ナポリ州都):3人→757人
ラツィオ州(ローマ州都):14人→359人
シチリア島:1人→259人

 

お盆の帰省を自粛した日本

ここまでイタリアの夏前から秋にかけての感染者推移について書きましたが、スペインやフランスでは、イタリアよりもっと深刻な状況になっています。

この両国、特にスペインはほぼ同時期にロックダウンし、解除から段階的緩和へとだいたい同じような道を辿ってきたのに、この違いは一体何なのか?

本当にわけがわかりません。

アジア諸国と比べての欧州の惨状、これも謎の一つです。

でも、そこで生活する一個人としては「これでは感染拡大してもしょうがないよなぁ」と感じることが多々あります。

3・4月の悪夢を経験したばかりなのに第2波を招くであろう夏のバカンスをあきらめることができなかった、あるいは対策を十分にとることができなかったこともその1つ。

一方、欧州に比べればはるかに被害を抑えることができている日本では、夏休みにお盆の帰省を自粛した人がほとんどだったわけです。

このあたりの感覚、意識の違いが、日本とヨーロッパの被害差を生んでいる一因だと感じます。

(おわり)