海外ゲストのもてなし。外国人(イタリア人)受けする店

大型休暇は1年に3回

イタリア人の休暇はまず何と言っても、8月の夏休み。自分のまわりをみている限り、8月中旬の少なくとも2週間は大部分の会社は完全オフ。これを7月や9月にずらして取る人もいる。

そしてクリスマス休暇。これは仕事によってばらつきがあるようで、クリスマス前後2、3日だけだったり、年明けまで1週間休める人も。

もう1つはキリスト教の復活祭(パスクア)。年によって日が変わりますが、だいたい4月上旬から中旬にかけて。この期間は学校が1週間程度休みになるので、子供がいる家庭では合わせて休暇をとったりしているようです。

自分はこれにかこつけて1年に3回帰国しているので、帰国時にちょうどイタリア人の友人が日本観光に来ていることが多い。そして時間があれば町を案内したり、夕食に連れて行ってあげたりしているのですが、店の選択にはいつも悩み、これまでいろいろ試行錯誤してきました。

京都で割烹を食べさせてみたけれど・・

2010年、イタリア人2人組を京都案内したときのこと。

自分が社会人なりたての頃、京都・鴨川の納涼床で初めて食事をしたとき、大興奮しました。地元の京都人はあまり行かないのでしょうが、京都外からの日本人なら誰でも満足する雰囲気なので、外国人も喜ばないわけがないと思い、彼ら2人を連れて行くことに。

日本らしい食べ物=和食、その最高峰「割烹」なわけで、これも外国人にぴったりと思っていました。コースを予約し、外国人を連れて行く旨を伝えておいたら、川床の一番川に近いベスト席に通してもらえました。

薄いリアクション

オープンエアに畳、夕暮れ時の鴨川の風景、、、こちらの方が気分が高まってしまう一方、2人組はというと、もちろん「きれいね」とは言ってくれるものの、反応がやや薄め。

料理の方も、1人は生魚はNG、好んでは魚は食べない人で、先付として出されたこのわた、海藻的なものなどはほとんどダメ、もちろんお造りもパス。もう1人は、食べられなかったのは2品ぐらいでしたが、料理の見た目の美しさを説明したりしても、あまり響かず。。

飲み物は、普段からアルコールをあまり飲まない2人で、食事の際にミネラルウォーターをボトルで必ず注文するのがイタリアの習慣なので、ここでも水をコップで何杯も頼んでいました。割烹を食べながら水を飲む日本人はまぁいませんし、なんとなく料理も引き立ちません。

どうして割烹にあまり満足しなかったのか

勘定はもちろん自分が持つわけで、食事に満足してもらえないと痛い出費になってしまいます。自分なりに分析してみると、

  • オープンエアで食事するのは日本では限られているが、イタリアではバールでもレストランでも、冬はストーブまで設置して、外のテーブルでの飲食を好むので、川床の「オープンエア」の部分に関してはそこまで新鮮味がなかった?
  • 日本人にとっての「これこそ日本料理」と外国人がイメージするそれは結構違うのでは?

この当時、同じような経験がいくつか。自分も一度しか行ったことがなかったカウンターのみの高級寿司店での「おまかせ」を、イタリアで世話になっている友人に体験させてあげたいと連れて行ったのですが、やはり反応はもうひとつでした。

高級寿司店に連れて行っても。。

もちろん「いいね」とは言ってくれるのですが、自分が初めてこの店に連れてきたもらった時のほうが、いいリアクションしていたと思います。

寿司が大好きな日本人は、多かれ少なかれ「違い」が分かり、べつに食通でなくても「おいしい寿司」と「あまりおいしくない寿司」とをジャッジできます。

が、外国人観光客にとっては、回転寿司もカウンターで食べる寿司も、味に大差ない、と言い切っていいと思います。これは単純に経験値の違いで、寿司を食べてきた回数が外国人と日本人では違いすぎるからです。

自分も、けっこう長くこちらで生活していますので、今では、美味しいピザとあまりおいしくないピザ、あるいは好みみたいなものもありますが、初めの頃はどこで食べても同じように美味しく感じていました。

B級グルメで十分

京都で割烹に連れて行った2人組に、イタリアに戻ってから再会した時、「あの後、東京でお気に入りのラーメンを見つけた!」と、嬉しそうにつけ麺の写真を見せてくれました。

つけ麺でこれだけ喜んでいるのだから、相手の食の好みを考慮せず「どうだ」と言わんばかりに割烹料理に連れて行くなどは、自己満足なのかもしれない、と思いました。

寿司店に連れて行ったもう1人のほうも、一番好きな日本の食べ物は「チーズ入りトンカツ」と言っており、結局のところB級グルメのほうが受けがいいみたいです。

ほかにも、ラーメンなら毎日食べられるという人もいるし、日本のどこの町に行っても必ずCoCo壱番屋のカレーを食べるという人もいます。そして、日本に行きたいけどまだ行ったことがないイタリア人に、何を食べてみたいか聞くと、「たこ焼き」という答えがとても多い。

わりと受けが良かった店

というわけで、食べ物は大衆的なB級グルメっぽいもの、それでいて雰囲気はやっぱり日本らしさが感じられるようなところ、という観点で選ぶようになりました。

日本らしい雰囲気といっても、和風の内装、という意味だけでなく、例えば焼肉店のロースターが埋め込まれた座卓や、チェーン系居酒屋によくあるパネルでのオーダーシステムなども、イタリアには絶対にないので、彼らにとっては異国情緒を感じるもの。

今まで自分がイタリア人を連れて行って、わりと受けがよかった店は

  • 神田「大越」(居酒屋、閉店)
  • 目黒「とんき」(とんかつ)
  • 焼肉「牛角」
  • 魚がし日本一(立ち食い寿司のチェーン店)
  • 新橋「銀だこ ハイボール酒場」
  • 神楽坂「別亭鳥茶屋」のうどんすき
  • チェーン店でない、どこにでもある、町の小さい焼き鳥屋
  • 西麻布「権八」(映画「キル・ビル」の店と言って連れて行く。最後に行ったのは2011年で、おそらくここ数年で外国人客がさらに増えたと思われます)
  • 新宿高島屋「ティンタイフォン」(台湾の小籠包屋ですが、アジアにもこんな「トルテッリーニ」があるよ、と言って2回連れて行ったことがあります)